...前者は蛍を見ても星だと思ふだらう...
芥川龍之介 「芸術その他」
...支那蛍の幼虫は蝸牛(かたつむり)を食ふ時に全然蝸牛を殺してはしまはぬ...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...ありありと蛍光板(けいこうばん)の上にあらわれる...
海野十三 「少年探偵長」
...蛍光を発して夜の都の空をかける風に指がちぎれ 鼻がとびさる虹のように 蛍光が夜の都の空に散る風に首がもげ 脚がちぎれる風にからだが溶けてしまう蛾が一匹死んでしまった...
竹内浩三 「空をかける」
...蛍でないもんが沢山這入(はい)ってるらしい...
谷崎潤一郎 「細雪」
...こんなに蛍がゐるのを見たことは...
田山録弥 「山間の旅舎」
...噴水のうえにあらわれた一匹の蛍に...
火野葦平 「花と龍」
...蛍火(ほたるび)のように...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...されど海の蛍が灯りとなりそこここの円塔をそっと照らし上げる――ほのかな灯が頂塔へとふうわっと円蓋へと――尖塔へと――王の間(ま)へと――寺院へと――廃都然した城壁へと――蔦の彫刻と石の花のある久しく忘れられた影なす憩いの場へと――そしてあまたの見事な神殿へと...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...「蛍の夜のわたし達の悉くの感想は...
牧野信一 「籔のほとり」
...雛(ひな)祭る都はづれや桃の月 蕪村しのゝめに小雨降り出す焼野かな 同狩衣(かりぎぬ)の袖の裏這ふ蛍かな 同春(うすづく)や穂麦が中の水車 同欠け/\て月もなくなる夜寒かな 同鶯の鳴くや師走(しわす)の羅生門 同たんぽゝの忘れ花あり路の霜 同というように...
正岡子規 「俳句上の京と江戸」
...まるで億万の蛍烏賊(ほたるいか)の火を一ぺんに化石させて...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...流れの蛍(ほたる)だけを昔に似たものと慰めに見ている浮舟(うきふね)の姫君であったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...たとえば蛍の明滅(めいめつ)にも似たような心のときめきは呼びもどすまいと努(つと)めていたのである...
吉川英治 「黒田如水」
...庭の蛍(ほたる)だけは...
吉川英治 「私本太平記」
...蛍火(ほたるび)ほどの火縄(ひなわ)をゆいつのたよりにふって...
吉川英治 「神州天馬侠」
...小六の部下のひとりの背に止まっている蛍(ほたる)を見つけ...
吉川英治 「新書太閤記」
...この『源氏の物語』が恐らく現存の蛍の巻と若紫の巻とを(何ほどかの程度に)含んだものであったろうことは推測するに難くないが...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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