...しかし匆卒(そうそつ)の間(あいだ)にも語(かた)ることの出来るのはこれだけである...
芥川龍之介 「滝田哲太郎君」
...匆々(そうそう)タオルと石鹸を持って飛び込んで来たのだった...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...以上の匆卒(そうそつ)なる瞥見(べっけん)によっても...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...とても帰られなくなりて今欧洲の大都(たいと)に遊ぶ人の心の如くに日本を呪詛(じゅそ)せしものと存候このつぎ御来遊のせつは御一所に奈良へ出かけたきものに候妻(さい)よりよろしく 匆々三月二十一日上田敏永井荷風様侍史大正五年われ既に病みてつかれたり...
永井荷風 「書かでもの記」
...右匆々乍ら此の詩人への讃美と註文とである...
中原中也 「菊岡久利著「貧時交」」
...帰国匆々の忙しい中を...
中谷宇吉郎 「南極・北極・熱帯の雪」
...新築匆々、箱根へ出かけ、二ヵ月ほど水入らずに暮していたが、妻になってから陶はいっそう活溌な素振りを見せるようになり、無邪気な遊び事を考えだしては、一日中、子供のように跳ね廻って遊んでいた...
久生十蘭 「湖畔」
...いずれとも匆々に処置いたさねばならぬ羽目になった...
久生十蘭 「玉取物語」
...匆々(そこそこ)に顔を洗ッて朝飯(あさはん)の膳(ぜん)に向ッたが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...挨拶(あいさつ)も匆々(そこそこ)に起ッて坐敷を立出で二三歩すると...
二葉亭四迷 「浮雲」
...匆々(そうそう)東京を出発する用意をし...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...声こそ立てなかったがY君は匆卒にノートを引さらって室をとび出し...
森於菟 「屍体異変」
...今日まで固く口止されていた事実を小使の白木某が陳述した――――同アパートは新築匆々(そうそう)の為め...
夢野久作 「ココナットの実」
...タッタ今まで新婚匆々時代の紅い服を着ていた黛子さんが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その中(うち)でも一番最後に残しておいたのが姉の新婚匆々時代の紅い服一着と...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その間に人知れぬ希望と楽しみがなくちゃ……しかも姉の新婚匆々時代の紅い服を着て歩きまわるところなんぞは...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...……Mはまだ九州大学に着任匆々で...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...では……たしかに、おあずかりして」と、貞盛は、匆々に、そこのあばら屋同然な門を辞した...
吉川英治 「平の将門」
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