...その葉も花も実も杏や桃の核のやうな苦い匂ひを持つてゐます...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...うまそうな稲の香りが強烈に匂ってきて...
高村光太郎 「山の秋」
...さっきからたびたびそれを匂(にお)わしているのに...
谷崎潤一郎 「細雪」
...あの忘れられない異臭が匂っているのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...郷土芸術――新しい土に芽生えつつある新らしい草の匂いが...
種田山頭火 「鎖ペンを握って」
...快い強い匂いのする耕作地を横ぎって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...瑞々しい青い匂いを空中に散じていた...
豊島与志雄 「土地」
...今朝(けさ)は平素(ふだん)よりも激(はげ)しく匂(にほ)ひわたる線香(せんかう)の烟(けむり)が風(かぜ)になびいて部屋(へや)の中(なか)まで流(なが)れ込(こ)んでくるやうにも思(おも)はれた...
永井壮吉 「吾妻橋」
...もろ/\の事件の匂ひを嗅ぎ出すのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ノボオシビルスクの収容所の匂ひを思ひ出させるのだ...
林芙美子 「瀑布」
...冬らしい仄かな香水の匂いがする...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...匂ひを吸ひ込む爲めか...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...わたしがこの世に生きていた間(あいだ)の生活の半分はラヴェンデルの草の優しい匂(におい)のように...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...茶といえばふけたような匂いのする安い番茶で...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...香料の匂いを百メートル平方にまでふりまきながら...
山本周五郎 「季節のない街」
...物の饐(す)えるような匂いが...
山本周五郎 「山彦乙女」
...たしかに新米のこの匂いには抒情がある...
横光利一 「夜の靴」
...尊氏の軍が酒匂(さかわ)の駅に着いた日...
吉川英治 「私本太平記」
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