...それは荒涼たるこの世のはてでございます...
江戸川乱歩 「影男」
...辺りの荒涼たるかんじは膚に迫るばかりだった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...われわれの先祖ピルグリム・ファーザース〔一六二〇年メイフラワー号で米国にわたった清教徒の一団〕がそれだけで荒涼たる岩のうえで寒いひと冬をすごしたからといって...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...何だかひどく荒涼たる海浜らしい...
太宰治 「お伽草紙」
...荒涼たる野には秋風が渡った...
田山花袋 「一兵卒」
...虐使され或は北アラスカの荒涼たる氷原に橇(そり)を引き...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...荒涼たる廃虚を小さい兄に手を引かれてゆく姿を見ていたら...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...荒涼たる吹雪の原野の中に立って見渡すと...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...こうしてめいめいがはなはだしく貧弱な防寒具の下(もと)に、はなはだしく寒い、寂しい、荒涼たる、一口にいえば、といっても、いいようのない、そうだ、それは「死」にいやでも応でも考えを押しつけねば置かない関係、すなわち、プロレタリア対寒冷! の、本能的の寂しさの中を、四人は、港の街(まち)のさびしい通りの、明るい二階で暖かいお茶と、お菓子とが待ってることを思って急いで行くのであった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...この荒涼たる地獄の風景の中で...
久生十蘭 「地底獣国」
...荒涼たる天空に向って...
久生十蘭 「南極記」
...このあたりは一面の荒涼たる枯葦原...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...いままでの荒涼たる景色のかわりに...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...だいたいに下閉伊(しもへい)郡北端の安家(あっか)・普代(ふだい)の小さな流れからこちらがことに荒涼たる草原になっている...
柳田國男 「地名の研究」
...如何(いか)にも荒涼たる駅である...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...また当年の落莫(らくばく)荒涼たる御所の有様や朝儀の廃(すた)れや幕府の無力や人心の頽廃(たいはい)など――見るもの聞くものに若い心を打たれながら――実に彼の大志は泉のごとく噴き出したものだった...
吉川英治 「上杉謙信」
...私は荒涼たる野づらを歩きながら...
淀野隆三 「横光さんと梶井君」
...その荒涼たる憂鬱な性格を和らげるものといえば...
J. S. レ・ファニュ J.S.Le Fanu The Creative CAT 訳 「ドラムガニョールの白い猫」
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