...はるかに侘しいものであるかも知れない...
太宰治 「お伽草紙」
...ばつたんばつたん筵を織つてゐる侘しい姿が...
太宰治 「津軽」
...そしてこの断崖の上にうっすらと影ろって物侘しい静かな夕暮れを色づけ初(そ)めていた...
橘外男 「逗子物語」
...またあたりは妙に森閑(しいん)と静まり返って再び山の墓場は木の葉の落ちる音一つ聞えるくらいの侘しい澄んだ黄昏(たそがれ)の色に包まれ初(そ)めたが...
橘外男 「逗子物語」
...西風に舞い上がる黄いろい塵埃(じんあい)、侘しい、侘しい...
田山花袋 「少女病」
...今は亡い人たちの至芸など思ひ浮べて一種侘しい懐旧の情にひたりながら半日を淋しく楽しんで過すのである...
中勘助 「能の見はじめ」
...侘しい三年の月日を送った後...
中島敦 「盈虚」
...野外の侘しい風物である...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...侘しい寒菊が咲いてるのである...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...自奏機(おるごをる)の鳴らす侘しい歌を唄つてゐる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...侘しい氷山の生活だつた...
萩原朔太郎 「氷島」
...常に極地の侘しい曇天があり...
萩原朔太郎 「氷島」
...侘しいなりにも何だか生きたい情熱が燃えて来るなり...
林芙美子 「新版 放浪記」
...その足に穿いてゐる侘しい下駄が...
原民喜 「火の唇」
...どうしても侘しいものが附纏ふやうだが...
原民喜 「火の子供」
...妻は頬笑(ほほえ)みながら「そんなに侘しいのなら...
原民喜 「冬日記」
...背景を成す沸き立つような半ば光輝を帯びた雲は、曖昧で希薄な、地球を遥かに離れた<彼方であること>(*14)を暗示する言語に絶した何かを抱き、遥かな距離を、全き孤絶を、侘しい荒廃を、足を踏み入れることも測鉛を投ずることも叶わぬこの南の世界の悠遠の死を、ぞっとする程に思い起こさせた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...宿の前に在る時間湯から例の侘しい笛の音が鳴り出した...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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