...雪のはだれる音、塀に攀(よ)じ登る音、――それぎりひっそりしてしまったのは、もうどこか塀(へい)の外へ、無事に落ち延びたのでございましょう...
芥川龍之介 「報恩記」
...靴音が廊下に入りみだれる...
海野十三 「大宇宙遠征隊」
...今も今とて ふくろふの笛は足ずりをしてあをいけむりのなかにうなだれるお前のからだをとほくへ とほくへと追ひのける...
大手拓次 「藍色の蟇」
...これはならぬと、あわてて膝を固くして、うなだれると、意気地が無いと言って叱られる...
太宰治 「一燈」
...うなだれるかわりに理想を白眼(にらん)で昂々然と鋪道を闊歩し...
谷譲次 「踊る地平線」
...前歩後歩のみだれるのをどうすることも出来ない...
種田山頭火 「行乞記」
...身も心もみだれる酒だつた...
種田山頭火 「其中日記」
...蝶蝶のやうに飛びあがり飛びくだるお手玉といつしよにおちやんの顔がうなづくたんびに紅白だんだらに染めた簪の総(ふさ)が蟀谷(こめかみ)のあたりにはらはらとみだれる...
中勘助 「銀の匙」
...高き台を朧(おぼろ)に浮かして幅十町を東へなだれる下(お)り口(くち)は...
夏目漱石 「虞美人草」
...不幸や悲惨の前に無力に首をうなだれる吉田ではなかった...
葉山嘉樹 「生爪を剥ぐ」
...大きな門……」彼は低く低くうなだれるように応えた...
原民喜 「忘れがたみ」
...なんのつもりでこんな装束をし、小夜更けの庭先なぞへ出て来たのかとたずねると、「あなたはご存じなかったでしょうが、妹めはとんだ猫かぶりで、評判どおり、谷戸の貧郷士を呼びこみ、抱きつくやら、しなだれるやら、さんざんな放埓をするのです...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...両軍入りみだれる戦場に...
火野葦平 「花と龍」
...男と女と入りみだれる乱戦になっていて...
火野葦平 「花と龍」
...思わぬ出来事のため部署がみだれるだろうと思い...
本庄陸男 「石狩川」
...おときは顔をあかくしてうなだれる外(ほか)に活路を見出せなかった...
水上滝太郎 「果樹」
...バラバラとみだれる穂(ほ)すすきの槍(やり)ぶすまも...
吉川英治 「神州天馬侠」
...なだれる群集(ぐんしゅう)...
吉川英治 「神州天馬侠」
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