...「大目に見てお上(あげ)なすって下さいまし...
泉鏡花 「婦系図」
...「徴兵検査の予備検査を受けたいのです」「ほんならお上りやす」待合室に他の患者はなく...
外村繁 「澪標」
...荒物屋のお上さんが...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...縁談だと云ってさんざんお上さんに冷かされた所です...
豊島与志雄 「微笑」
...お傍(そば)にいて相当の御用を勤めてお上げ申したいと存じまする」前にはいやがって逃げ出した神尾の殿様のところへ...
中里介山 「大菩薩峠」
...宅(うち)のお上(かみ)さんは長唄(ながうた)が上手だとか...
夏目漱石 「明暗」
...盲人の家へ入る泥棒もあるまいから――と、父さんは締りもろくにさせなかったのです」「フーム」「竹筒がなくなったと判ると、父さんは死ぬほどびっくりしましたが、お上へ届けて、そんな大金を持っていたと知れるのが嫌だし、盗られた金が滅多に出たためしもないからと、私と二人で家の中を捜しました」「お届けをしないというのは乱暴だな」平次はそう言いましたが、その頃の岡っ引警察制度の欠陥を指摘されたような気がして、何とはなしに小鬢(こびん)を掻きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お上のお目こぼしもあるとしたものでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鯉の絵や富士山の絵の一本拾銭の白い扇子は毎日々々私の根気と平行して売れて行つた破船のやうな青いペンキ塗りの社宅を越すと千軒長屋の汚ない坑夫部屋が芋虫のやうに並んでゐてお上さん達は皆私を待つてゐてくれた...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...さんざお上にお手数をかけた夕陽新聞の古市加十だとばかし思っているんだが...
久生十蘭 「魔都」
...それからなお上流階級に属する人々などである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...兄がお上様に向い不都合の事いたしましたのは...
三好十郎 「斬られの仙太」
...宮中へお上げになればいいではないか...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まだ寐(ね)ないでいるね」お上さんは黙っている...
森鴎外 「雁」
...お上さんは小さい目を赫(かがや)かして...
森鴎外 「雁」
...その捕縛された一刹那に△△はピストルで頭を撃って壮烈な自殺を遂げ、一切の真相を調査不可能に陥れましたので、部下十二名の罪はまだ決定致しかねている状態でありますが、その△△君の死は元来が特志でありました関係から、お上から勲章、年金等も頂戴出来ませぬは勿論のこと、その死因すら永久に公然と発表を許されない事になってしまったのであります」某名士氏はゆるやかにうなずきながらその男の顔を凝視していた...
夢野久作 「恐ろしい東京」
...これがお上(かみ)の仕事でなけあ...
夢野久作 「焦点を合せる」
...お上(かみ)の声を騙(かた)って...
吉川英治 「松のや露八」
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