...私は全く凡下(ぼんげ)な執着に駆られて齷齪(あくせく)する衆生(しゅじょう)の一人に過ぎない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...「俺(わ)しがこうして齷齪(あくせく)とこの年になるまで苦労しているのもおかしなことだが……」父の声は改まってしんみりとひとりごとのようになった...
有島武郎 「親子」
...齷齪(あくせく)と糧(かて)を爭ふ十萬の市民の...
石川啄木 「漂泊」
...そんなことを言つたつて何うせ死ぬのではないか何うせあと十年か二十年の命ぢやないかかう言つて常に齷齪と暮してゐる人間を罵つたり笑つたり苦々しく思つたりしてゐるが――そこにかれの死に対する考へ方がはつきりと出てゐるが...
田山録弥 「正宗君について」
...いっそ初めから齷齪しない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「マリ・デル」
...我は日本の外日本あるを知らざる鎖国的の小籌(しょうちゅう)に齷齪(あくさく)たる情趣...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...少しも近代生活の齷齪(あくせく)したさまがなく...
徳冨蘆花 「地蔵尊」
...むりに齷齪することはない...
豊島与志雄 「死ね!」
...どうせ終りは死だから齷齪するだけ馬鹿げてる...
豊島与志雄 「生活について」
...あるいはまた成功して虚栄の念に齷齪(あくせく)するよりも...
永井荷風 「ひかげの花」
...頭の奥で齷齪しているのである...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...沢庵(たくあん)の尻尾(しっぽ)を噛(かじ)って日夜齷齪(あくせく)するにもかかわらず...
夏目漱石 「マードック先生の『日本歴史』」
...俄かに齷齪とし始め...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...大義(たいぎ)のために齷齪することの愚かしさよとや悟(さと)り給うらん...
福田英子 「妾の半生涯」
...故に豪放の中に慎重を寓し事の細目にまで渉つて齷齪はせぬが大局を掴むに大掴みに掴まぬ...
二葉亭四迷 「旅日記」
...年中(ねんぢゆう)齷齪(あくせく)してゐる………それも立派な作品でも出來ればだが...
三島霜川 「平民の娘」
...それでも會社で機械のやうに齷齪働いて居るよりはましだつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...自分等の母の為した如く終日台所に齷齪(あくせく)として居る事は自分等に取つて苦痛であるけれども...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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