...それはもちろん黴菌(ばいきん)のような微生物を見ることのできる顕微鏡がだんだんに発達してからのことであるのは云(い)うまでもありません...
石原純 「ルイ・パストゥール」
...黴くさい医学書が山のように積みあげられ...
海野十三 「生きている腸」
...わたしの頭は醸された酒のやうに黴の花をはねのける...
大手拓次 「藍色の蟇」
...黴の匂(におい)を嗅いで...
田中貢太郎 「春心」
...黴といふものは有毒無毒にかゝはらずほんたうに嫌なものだ...
種田山頭火 「其中日記」
...黴(か)びた種子(たね)...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...黴菌(ばいきん)がだんだん悪ずれがして来て黴菌の「ヒト」が悪くなるせいでもなさそうである...
寺田寅彦 「変った話」
...そうしてわれわれは知らずに年じゅう少しずつそれらの黴菌を吸い込み飲み込んでいるために...
寺田寅彦 「自由画稿」
...しかしそうかと言って虫食いや黴菌(ばいきん)のために変色した葉ばかりを強調した表現主義にも困る...
寺田寅彦 「備忘録」
...捲線が次第に黴(か)びたり...
寺田寅彦 「ラジオ雑感」
...それは子供のおり田舎の家の暗い押入れにある母親の黴(かび)くさい手箪笥や文庫のなかを捜すとちょうど同じような心持であった...
徳田秋声 「黴」
...さうして其(その)入(さうにふ)した酸漿(ほゝづき)の根(ね)が知覺(ちかく)のないまでに輕微(けいび)な創傷(さうしやう)を粘膜(ねんまく)に與(あた)へて其處(そこ)に黴菌(ばいきん)を移植(いしよく)したのであつたらうか...
長塚節 「土」
...私は黴臭(かびくさ)くなった古い冬服を行李(こうり)の中から出して着た...
夏目漱石 「こころ」
...黴(かび)くさい納戸の空気に浸れば...
本庄陸男 「石狩川」
...また動物を飼養して牛乳よりする黴菌(ばいきん)試験を行い...
村井弦斎 「食道楽」
...6690生きた人間が死人同様に黴の中にいじけて...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...まるきり陽の目をみないこの小部屋はしょっちゅう黴臭く...
矢田津世子 「鴻ノ巣女房」
...――座敷の中は黴(かび)臭く...
山本周五郎 「あだこ」
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