...熟した麦の香(か)が...
石川啄木 「鳥影」
...はじめは貴方が、当時汽車の窓から赤城山の絶頂に向って御投棄てになったという、革鞄の鍵を、何(なん)とぞして、拾い戻して、その鍵を持ちながらお目にかかって、貴下の手から錠を解いて、縫のその袖を返して頂きたいと存じ、およそ半年、百日に亙(わた)りまして、狂と言われ、痴と言われ、愚と言われ、嫉妬(しっと)と言われ、じんすけと嘲(あざ)けられつつも、多勢(たぜい)の人数を狩集(かりあつ)めて、あの辺の汽車の沿道一帯を、粟(あわ)、蕎麦(そば)、稲を買求めて、草に刈り、芥(あくた)にむしり、甚しきは古塚の横穴を発(あば)いてまで、捜させました...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...蕎麦(そば)屋の岡持(おかもち)などが...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...われわれの先祖がその小麦のそれを切ったより...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...河岸には「坊主蕎麦(ぼうずそば)」というのがあって...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...お蕎麦(そば)屋の門口にれいの竹のお飾りが立っている...
太宰治 「作家の手帖」
...麦わらの茎が大旋風に吹きつけられて堅い板戸に突きささって...
寺田寅彦 「化け物の進化」
...麦の穂末に平たき屋根の七八つあらはれたる孤村(こそん)は...
徳冨蘆花 「馬上三日の記」
...麦が伸びあがり蚕豆の花が咲きだしている...
豊島与志雄 「白木蓮」
...麦の穂や花や木の葉や枝をながめ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それは麦の束であつた...
長塚節 「隣室の客」
...麦に陽は照り睡るがやうな悲しさに...
中原中也 「山羊の歌」
...碌さんの麦藁帽(むぎわらぼう)を遠慮なく...
夏目漱石 「二百十日」
...田の水引いたら田がかれるかれたら麦でもまきに来る...
野口雨情 「未刊童謡」
...「麦やん……」と呼びかけようとしたら...
正岡容 「寄席」
...麦を害(そこ)ねた...
吉川英治 「三国志」
...こぼれ落ちた麦粒も...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
...麦積山の創始の時代...
和辻哲郎 「麦積山塑像の示唆するもの」
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