...舳(へさき)に蒼い潮の鱗...
泉鏡花 「浮舟」
...その燃ゆる色に黄金の鱗(うろこ)の絞を立てて...
泉鏡花 「婦系図」
...私は鱗をもって、角をもって、爪をもって愛するんだ...
泉鏡花 「海神別荘」
...氏も素人並みに捜査方面で才の片鱗を見せたらしく...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...その消息の片鱗さえも伝わっていません...
豊島与志雄 「立札」
...死んだ魚の眼の色は濁り淀(よど)みその鱗(うろこ)は青白く褪(あ)せてしまい...
永井荷風 「監獄署の裏」
...この辺はもう春といっても汚い鱗葺(こけらぶき)の屋根の上に唯(た)だ明(あかる)く日があたっているというばかりで...
永井荷風 「すみだ川」
...秋の水を潜る魚鱗(ぎょりん)のようにひらめく...
中里介山 「大菩薩峠」
...細鱗を閃かせつゝ無心に游優嬉戲してゐるのである...
中島敦 「環礁」
...春の新潮(あらしほ)に乘つてくる魚鱗(うろくづ)のやうな生々(いき/\)した少女(をとめ)は...
長谷川時雨 「春」
...その片鱗を見せる状況が迫りつつあったというべきだろう...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...魚の鱗(うろこ)がついていましたぜ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...大汗だらう!」七郎丸と鱗丸は発動機を持たない手おしの漁舟である...
牧野信一 「円卓子での話」
...花は小枝端に着き無柄で形ち大きく下に緑色の芽鱗と萼片とがあって花冠を擁している...
牧野富太郎 「植物記」
...日本の監獄が治安維持法の政治犯と云っても非転向の共産主義者をどう扱ったかという歴史的事実の片鱗も描き出されている...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...金色の巨鱗を打ちひろげていた...
室生犀星 「みずうみ」
...で、最初は沢庵の経歴を緯に、その交友と道業の知人を縦に、つぶさに調べて行ったが、沢庵と柳生家、沢庵と細川家、わけても沢庵と細川家の藩老長岡佐渡、その他京都を中心とする当時の文化人、近衛三藐院(このえさんみゃくいん)だの烏丸光広だの松花堂昭乗(しょうじょう)だの――とその範囲は驚くべき広汎さをもって出ては来るが、武蔵の名は、その片鱗すらも、遂に見出すことができないのだった...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...また好意の片鱗(へんりん)も持たなかった...
吉川英治 「人間山水図巻」
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