...そして其髯が鰻のそれの如く兩端遙かに(あご)の方面に垂下して居る...
石川啄木 「雲は天才である」
...『……ナニ、此歌を?……ウム……勝つたか、ウム、然うさ、然うとも、見たかつたナ……飮まないつて、酒を?……然し赤いな、赤鰻ツ...
石川啄木 「雲は天才である」
...彼等は同時に一塊の鰻を挟む...
魯迅 井上紅梅訳 「幸福な家庭」
...」と古川先生大いに満足して一尾の鰻を十倍旨(うま)く舌打して賞翫したという逸事がある...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...一つ海鰻を焼いて貰って...
江見水蔭 「怪異暗闇祭」
...鰻屋にはぜひともなくてならぬ米であったから...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...この通りに前川(まえかわ)という鰻屋がある...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...仙台の鰻(うなぎ)には筋(すじ)がある...
太宰治 「惜別」
...「浮島名物、一に大根、二に鮒鰻、三(みつ)にお光の歌……」などとよく島の若い者が歌う位、実にお光の歌と云ったら此のあたりに知らぬ者はない...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...母が、葱(ねぎ)と、大根との風呂敷包をもって、私が、弟を負うたり、その反対だったり――それから、それが、だんだん慣れてくると、私が一人で買出しに行ったり、弟を背負うて、母を連れずに行ったり――思春期前の少年だから、平気で「この頭おくれ」と、出汁にする鰻の頭を一皿買ったり、牛肉屋が顔馴染になったので「味噌まけといてや」と味噌を、余分に入れさせたり――そして、多分、私が弟を背負って、そうして、大抵毎日買って歩いているのが商人達に、記憶されたらしく、それから又、憐れまれたらしく――私等兄弟より外に十歳位で、そんな所へ、惣菜(そうざい)を買いに行く奴はいなかったらしく「まけといたるで」と、鰻屋が、八幡巻(やわたまき)を一本添えてくれた事があるし、牛肉屋が「葱もおまけや」と、添え物の葱を一つかみくれた事もあった...
直木三十五 「死までを語る」
...四角な水槽(みずおけ)に鰻(うなぎ)を泳がせ釣針を売る露店が...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...鰻(うなぎ)がいいね」小間物屋は...
中里介山 「大菩薩峠」
...「絹帽(シルクハツト)で鰻(うなぎ)屋へ行くのは始(はじめ)てだな」と代助は逡巡した...
夏目漱石 「それから」
...橋詰の鰻屋(うなぎや)の匂ひを嗅いだら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まるで鰻の様に道路から彼女の台所へ忍び入っていて...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...鰻のフライは裂いたものを四十分位蒸してメリケン粉をつけて玉子の黄身へくるんでパン粉をつけてサラダ油で揚げるのです...
村井弦斎 「食道楽」
...ちょうど土用中になると人の身体が脂肪分を要するから鰻のような脂肪の多い食物を取らねばならんという自然作用です...
村井弦斎 「食道楽」
...例へば外海から鰯を取つて來て放したり鰻の子を放したりして...
柳田國男 「潟に關する聯想」
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