...あれはその行燈の絵を髣髴(はうふつ)させる所が甚だ風流である...
芥川龍之介 「俳画展覧会を観て」
...大自然の雄々しい裸かな姿を髣髴させるような瞬間を讃美(さんび)したことに何んの不思議があろう...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...無紋の白張(しらはり)に髣髴(ほうふつ)する...
泉鏡花 「浮舟」
...なつかしい父母の面影が髣髴(ほうふつ)として来るのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...犯罪小説の読者を始終喜ばせる「秘密」「疑惑」の気分に髣髴(ほうふつ)とした心持で...
谷崎潤一郎 「秘密」
...その中のあるものたとえば「古椿(ふるつばき)」や「雪女」や「離魂病」の絵にはどこかに西欧の妖精(ようせい)らしい面影が髣髴(ほうふつ)と浮かんでいる...
寺田寅彦 「小泉八雲秘稿画本「妖魔詩話」」
...)如何によく過去の時代の壮麗なる式場の光景を眼前に髣髴(ほうふつ)たらしめるであろうか...
永井荷風 「霊廟」
...ただ名と年と歴史を記(き)して吾事(わがこと)畢(おわ)ると思うは屍(しかばね)を抱(いだ)いて活ける人を髣髴(ほうふつ)するようなものである...
夏目漱石 「虞美人草」
...咫尺(しせき)に慈顔(じがん)を髣髴(ほうふつ)するは...
夏目漱石 「虞美人草」
...みすぼらしいところに髣髴(ほうふつ)として揺曳(ようえい)している...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...それとも頭の格構でもが唐辛子を髣髴させるのか...
牧野信一 「月あかり」
...――昔、私の祖父が山霊の妖気に魂を奪はれて、屡々とその根元で哀れな遊楽の妄想にうつゝを抜かしたと云はるゝ大唐松が独り禿山の頂きに逞ましい腕を張つて巨人の踊りを、髣髴させてゐた...
牧野信一 「剥製」
...私のあれらの体操振りは寧ろ現代的なる方法を髣髴する概があつたと思はれるのだ...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...映画俳優の中野英治を髣髴させるかのやうな爽快な可憐味に富んでゐた...
牧野信一 「岬の春霞」
...奥方が「なにね畳がズタズタになってるから」ますます寒々とした邸内の有様が髣髴としてくる...
正岡容 「我が圓朝研究」
...バルザックの小説の場面が髣髴(ほうふつ)される...
宮本百合子 「一票の教訓」
...髣髴現出于前也...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...その辞々句々を、細心に含味してゆくと、およそ、武蔵が、六十年の巷で、何を知って来たか、どう歩いてきたか、髣髴と、彼の生涯が、分ってくる...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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