...俗悪なる新画に巨万の黄金(わうごん)を抛(なげう)つて顧みない天下の富豪(ふがう)に比(くら)べると...
芥川龍之介 「鑑定」
...他の一般邦人在留者は渠等の行動を兒戲視して殆ど一顧をも與へないで居たのだが...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...半年か一年の後には全くこれを忘れて顧みるものもなくなるのが規則のごとくであるが...
丘浅次郎 「民種改善学の実際価値」
...何にも知らぬ初めての顧客は...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...岩上に盤踞(ばんきよ)して四顧すること多時(たじ)...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...なんら他を顧慮することなくして...
寺田寅彦 「科学と文学」
...顧みて我伊藤侯の出処進退に視る...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...」とやさしく種彦は机の上に肱をついたまま此方(こなた)を顧み...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...「今日の世界が、騒がしい世界でございますことは、米友さんにも充分おわかりのことと思いますが、それでは何が騒がしいとお聞き申してみたら、さすがの米友さんも返答にお困りでしょう」「そうよな、騒々しい世間じゃああるけれど、何が騒々しいと聞かれると、ちょっと挨拶に困るなあ」「その通りでございます――私たちの周囲に何の騒がしいことがございますか、後ろを顧みれば、逢坂、長良の山々、前は東山阿弥陀ヶ峯を越しますると京洛の夜の世界、このあたりは多分、山科の盆地、今の時は丑(うし)三ツ、万籟(ばんらい)が熟睡に落ちております、この静かな世界におりながら、私もこの世界が騒々しいと思い、米友さんも騒々しいと思う、誰が騒いでおりますか」「誰も騒ぎゃしねえけれど、天下がいってえに騒々しいんだよ」「なるほど、天下と申しますると、天(あめ)が下(した)のことでございますな...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼は座を立とうとして小林を顧(かえり)みた...
夏目漱石 「明暗」
...お萬にひどく彈かれて妙にそんな事を恨(うらみ)に持つて居たやうだから」民彌は顧(かへり)みて他を言ふのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三万円即金の残り月賦と顧問氏は...
長谷川時雨 「モルガンお雪」
...ことごとくそれらを元の帳場格子の中の銭箱へと放り込んで顧みなかった...
正岡容 「小説 圓朝」
...サラリーマン根性的に抱きしめて他を顧みぬと言うテンヤワンヤだけであった...
三好十郎 「俳優への手紙」
...その方針や演目の配列は食う必要を顧慮しないで実施出来る...
三好十郎 「俳優への手紙」
...それに顧念(こねん)しているにはあたらない...
吉川英治 「新書太閤記」
...――伊豆へ下られたら、すぐにもよき導師をたずね、お髪(ぐし)を剃(おろ)して、この尼が志を無になさらぬようにの……」「はい」禅尼は、満足そうに、微笑(ほほえ)んで、宗清を顧みた...
吉川英治 「源頼朝」
...鳥肌(とりはだ)にそそけ立った五百之進の顔を振り顧(かえ)って...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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