...一人はにきびの出來た顏に強い近眼の眼鏡をかけて居る...
有島武郎 「半日」
...さり氣ない顏をして入つたが...
石川啄木 「天鵞絨」
...男(をとこ)の顏(かほ)を凝(ぢつ)と見(み)て...
泉鏡太郎 「艶書」
...渠はそのかの女の顏を右の手で無理にこちらへ引き向け...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...顏をつき合せて卷紙に歌...
小穴隆一 「二つの繪」
...僕の顏といつてはつきり顏を畫いてゐるのはふしぎである...
小穴隆一 「二つの繪」
...元氣のいゝ人達の中には少數の沈んだ顏もあつた...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...私はその刹那に初めて女の顏を眞面(まとも)に見詰めた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...皆んな顏が揃つて居た筈だが」「下女のお若だよ」「あ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いづれ親分が來るだらうと思つてな」有徳の浪人阿星(あぼし)右太(うた)五郎は、ひどく心得顏に、平次と八五郎を迎へたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...錢形の親分だ」顏見知りらしいのが言ふと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「旦那樣」金之助がその傍に寄つて手を添へると、「お金(きん)、諦(あきら)めてくれ、――俺は、皆んな、錢形の親分に話してしまつたよ」「えツ」「俺はもう死ぬ、――これうへお前に罪を重ねさせたくない、――せめてお粂(くめ)だけは助けてやりたい」「何んといふことをしたんだ、父さん」死にかけてゐる父親の胡麻鹽(ごましほ)の髻(たぶさ)を取つて、ゆすぶり加減にグワツと睨んだ、金之助の顏は、男姿ながら、鬼女そのまゝの物凄(ものすご)さだつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...不動の顏の代りに震へる...
堀辰雄 「クロオデルの「能」」
...蒼い顏をブラ下げて...
三島霜川 「平民の娘」
...血の氣のない顏色には...
室生犀星 「はるあはれ」
...シルストルは彼等すべてが奇怪な顏と辮髮とをしてゐるのに氣がついて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...「これはいかん」とI記者が思つてみてゐると或る距離――お互ひの顏が見える位な間隔のところまできたら...
吉川英治 「折々の記」
...いざいざと友に盃すすめつつ泣かまほしかり醉はむぞ今夜語らむにあまり久しく別れゐし我等なりけりいざ酒酌まむ汝(な)が顏の醉ひしよろしみ飮め飮めと強ふるこの酒などかは飮まぬ朝の酒の味はまた格別のものであるが...
若山牧水 「樹木とその葉」
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