...頻りに云い澱(よど)みながらこう云った...
モオパッサン 秋田滋訳 「初雪」
...規則通りの短かい時間でいろんな用を相談しやうとするんですからどうして――』男は頻りに首を振つた...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...両隣に座つてゐる婦人は頻りにその背中で眼をさました子供をからかつたり...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...お鳥が頻りに義雄を二階へ連れて行きたさうにするのを...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...晩酌を始めると俄に口が辷り出して頻りに氣焔を吐く...
高濱虚子 「俳諧師」
...その宿場の端れ頃から頻りに...
田中英光 「箱根の山」
...頻りに板倉にせがんでいるところへ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...成るべくその距離を近くさせるべく命令されて牛飼どもは頻りに鞭を鳴らしたり...
田山花袋 「道綱の母」
...同じ年の秋ベランダの椅子に腰をかけて何か頻りに書いて居た...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...頻りに焼酎が飲みたい飲みたいとくりかえしていう...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...男女兩三頻りに力む...
長塚節 「草津行」
...僕はあの英文法の Subjunctive といふ奴を頻りに考へさされます...
原民喜 「書簡」
...頻りにふり仰いでは頭上を指さす...
原民喜 「小さな村」
...その当座は頻りにグヰンの儚(はか)ない一生が思出されてならなかった...
松本泰 「緑衣の女」
...その後お母さんのところからは頻りにお手紙下さいます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...今も女のような白い指でこめかみの辺を頻りにぐりぐりさせている彼であった...
吉川英治 「私本太平記」
...また、日本からも、そのむかしは遣唐使(けんとうし)をのせた船が、頻りに、海を往来して、知識や物産を交易し、ほとんど、ふたつの国のあいだがらは、歯と唇のような関係であったということ...
吉川英治 「新書太閤記」
...頻りに帽子の縁を撫で廻して...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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