「頻り」の意味
繰り返し行う様子
小説での「頻り」の使い方
...私の袴の裾を頻りにひつぱるのでございます...
芥川龍之介 「地獄變」
...』母親は汚い下駄の上に足をのせながら頻りになだめやうとした...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...畢竟するに馬琴が頻りに『水滸』の聖嘆評を難詰屡々(しばしば)するは『水滸』を借りて自ら弁明するのではあるまいか...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...頻りに漱石氏の顔に見とれてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...」庄造は頻りに溜息をついて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...温順にして敬虔な細君の祈祷に頻りに文句をつけるのは...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...頻りに尾崎排斥の火の手を煽り立て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...千家は頻りに祇園町行きを迫って『明朝間に合わせますからちょっと行きましょう』などといったが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...これはたんだ一人で左の手でへげ皮の饅頭かなにかの包を持つて頻りに頬張りながらやつて來る...
長塚節 「月見の夕」
...一頻り合戦が続いた後...
原民喜 「童話」
...馬が鼻をならし乍ら頻りにあがいた...
本庄陸男 「前夜」
...余の眼のとゞかない彼の時間の余裕が何処かにあるのかしら?)怖ろしく鹿爪らしい顔付をして頻りに何やらを調合してゐる...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...或望遠鏡製作所に居る友達を私は頻りに訪れてゐる...
牧野信一 「どうしたら私は憐れな彼女を悸さずに済せるだらう」
...婆さんは私の風体を頻りに見上げ見下しして余程吹いた積りらしいのだが...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...「おめえが頻りと気にしているから...
吉川英治 「江戸三国志」
...北条家の濃い血が入っている」などの蔭沙汰が頻りにあり...
吉川英治 「私本太平記」
...直木は頻りと、二刀の愚を論破しているが、武蔵にとっては当らない非難である...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...今、急激に身を動かしたのが悪かったか、あまりに潮の香が強いためか――「また咳(せき)が出るのう」ばばは、彼女の薄い背をさすって与えながら、その病苦を紛(まぎ)れさせようとしてか、頻りに、武蔵がここに見えるのも、もうわずかな間と、うわさした...
吉川英治 「宮本武蔵」
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