...あるいは霧の精のようにクックッと啼(な)くのを聞いた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...誰か園の梅の花ぞも久方の清き月夜にこゝだ散り来るほとゝぎす来啼きどよもす橘の花散る庭を見む人や誰天の川霧たちわたり彦星のかぢの音聞ゆ夜の更け行けば今朝啼きて行きし雁金寒みかもこの野のあさぢ色づきにけるあが宿の秋萩のへに置く露のいちじろしくもあれこひめやも率直なる感情を高朗なる調子でうたう万葉の詩人をなつかしく思う...
高浜虚子 「丸の内」
...・雨だれの音も年とつた・一寝入してまた旅のたより書く酔ひざめの水をさがすや竹田の宿で朝の鶏で犬にくはれた谷の紅葉のしたゝる水です・しぐるゝ山芋を掘つてゐるぼう/\として山霧につゝまれる・いちにちわれとわが足音を聴きつゝ歩む・水飲んで尿して去るこゝは片田舎だけれど...
種田山頭火 「行乞記」
...海霧を破って猟に出かけるが...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...模糊(もこ)として煙霧に裹(つつ)まれていたが...
徳田秋声 「縮図」
...宿酔(ふつかよい)の頭の中は、霧の夜の風景だ...
豊島与志雄 「操守」
...烟(けむり)とも霧ともつかぬ柔らかな夜の水蒸気が...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかし霧粒はかなりの目方があるので...
中谷宇吉郎 「樹氷の科学」
...霧の粒は風上の面に多く附着することはよく知られている事柄である...
中谷宇吉郎 「雪」
...霧をふいてごぼごぼむせて...
宮沢賢治 「風の又三郎」
...「雲井の雁もわがごとや」(霧深き雲井の雁もわがごとや晴れもせず物の悲しかるらん)と口ずさんでいた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...朝立った霧が終日山を這(は)っている日のような暗い気持ちで宮は暮らしておいでになったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...羽陽の山河は霧にさえぎられて見えず...
村山俊太郎 「平泉紀行」
...霧を押し分けるようにして...
山本周五郎 「山彦乙女」
...霧は茫々と際限なく続いた雪原と同じだ...
横光利一 「欧洲紀行」
...その先の見当は依然として五里霧中のここちだった...
吉川英治 「三国志」
...寄らせてもらうとして」朝霧翁は...
吉川英治 「平の将門」
...日没頃のひどい霧がはれて夜に入った後...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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