...雪どけの中にしだるる柳かな(昭和二年六月)...
芥川龍之介 「講演軍記」
...北朝鮮の寒さには、さすがの日本軍もなやまされ、春の雪どけまで、蔚山(うるさん)に城(しろ)をきずいて籠城(ろうじょう)することになった...
安藤盛 「三両清兵衛と名馬朝月」
...もう誰か通つた・雪のあしあとのあとをふんでゆく・霜ばしら踏みくだきつゝくらしのみちへ・雪どけみちの兵隊さんなんぼでもやつてくる・大きな雪がふりだして一人・おぢいさんは唄をうたうて雪を掃く・朝の墓場へもう雪が掃いてある一月廿八日ゆつくり朝寝...
種田山頭火 「其中日記」
...大根もらつたくもりおもくて竹の葉のゆれてな(マヽ)る・影が水を渡る影もならんでふむ土の凍てゝゐる・夕月があつて春ちかい枯枝・ゆふやみのうらみちからうらみちへ雪どけの二月二日早寝の早起だつた...
種田山頭火 「其中日記」
...・遠山の雪ひかる別れなければならない・草は枯れて犬はたゞほえて・雪どけのぬかるみのあすはおわかれ・朝から降つたり照つたり大きな胃袋(ルンペンのなげき)・かみしめる餅のうまさの夜のふかさの・なにもかも雑炊としてあたゝかく・小鳥も人もほがらかな雲のいろこゝろあらためて水くみあげてのむ・ほつかりめざめた春めいた雨の柿の木ぽつとり椿が雨はれたぬかるみ二月十八日雨...
種田山頭火 「其中日記」
...もうあと一月もすればそろそろ雪どけになりますさうで...
辻村もと子 「早春箋」
...戸坂嵐子殿(三月二日午前)三月だと云うに雪どけで寒いことだ...
戸坂潤 「獄中通信」
...雪どけ羊歯の根土にすべってこの温泉にころげこんだが...
中村清太郎 「山岳浄土」
...高い断崖から(雪どけの季節だからか)大きな滝が幾つも懸かっていて...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
......
野口雨情 「未刊童謡」
...石崖(いしがけ)の下の雪どけで...
林芙美子 「新版 放浪記」
...雪どけ水を湛(たた)えたイシカリ川が...
本庄陸男 「石狩川」
...その間に、雪が降って、積って、雪どけが来た...
本庄陸男 「石狩川」
...雪どけ水が野の低みに溜るのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...上河内から流れ出る雪どけの水は...
松濤明 「春の遠山入り」
...それから雪どけの外気を家一ぱいに流しこんで掃除をして...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...日中は雪どけがはじまります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...雪どけの峽の小徑を 行く行く照らしいだす わが手の燈火黄色なる火影のうちを 疲れて歩む あはれ わが脚の影重い靴 濡れた帽子 冷めたい耳 空腹 ――旅人と身をなして 思ふことさへ うつつない ああ このひととき...
三好達治 「旅人」
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