...――彼は急に険しい顔をし...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...だから私は腹の底に依然として険しい感情を蓄へながら...
芥川龍之介 「蜜柑」
...坐るや否や先づ険しい眼尻を一層険しくして...
石川啄木 「天鵞絨」
...かなり険しい小さな岩山がある...
梅崎春生 「八ガ岳に追いかえされる」
...田舎客は険しい顔をして訊いた...
薄田泣菫 「茶話」
...其処は険しい切り断った瓶の底のような壑の底で...
田中貢太郎 「陳宝祠」
...丁度そのイーをしたような心持のする険しい顔を一寸して...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...彼女の険しい眼瞼(まぶた)の下の幼い眼は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...安堵(あんど)の様子と絶えざる苦しみから来る険しい色とがいっしょになって浮かんでいた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そして、鏡を、絹へ包みかけて、もう一度、自分の顔を、写してみて(よく、剣難の相とか、水難の相とか、ということがあるが――)と、じっと、自分の顔を見ていると、何かしち、いつもよりも、険しいものが、眉に、眼に現れていた...
直木三十五 「南国太平記」
...平岡の険しい眉が少し解けた...
夏目漱石 「それから」
...額が狭く険しいので...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...険しい岩山をよじ登り...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...「彼方へ行け」との台察児(タイチャル)の険しい眼くばせに驚き怖れ...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...早くも上がってきた頬に刀傷のある目の険しい五十彼是(かれこれ)の渡世人上がりの四谷杉大門の寄席の主へ...
正岡容 「小説 圓朝」
...険しい路を猿のやうに軽捷に馳せ下る幾人かの樵夫に出会つた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...あらゆる険しい風雲は...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...来る事をも禁じてある際なので私は険しい顔をして二人を見た...
若山牧水 「青年僧と叡山の老爺」
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