...売れッ子の若い人気作者の住居(すまい)とは思われない古風な武者窓(むしゃまど)の付いた頗(すこぶ)る見窄(みすぼ)らしい陰気な長屋であった...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...殺しちまったほうがいい」ロジタ(罵言)にしては陰気な声で...
高見順 「いやな感じ」
...果てしなく続く広大で陰気な平原に退屈して気が滅入り...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...「ここはいやに陰気な所だね...
夏目漱石 「明暗」
...それは京都に共通な暗い陰気な作りの上に...
夏目漱石 「門」
...宝蔵の陰気な空気の中にも...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...彼は陰気な、不機嫌さうな顔をして、いきなりその卓子から卓布を剥ぎ取つた――と、急に、音もなく部屋ぢゆうに透明な空いろの光りが漲(みなぎ)りわたつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...朝食を終る頃にはもう昨日と同じやうに陰気な...
北條民雄 「重病室日誌」
...この部屋の陰気な家具――吹きつのってくる嵐(あらし)の息吹(いぶき)に吹きあおられて...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...陰気な邸宅の扉をノックすると...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...盲縞(めくらじま)みたような陰気な芸はおよそ御迷惑だったろう...
正岡容 「初看板」
...山下町××番館を陰気な住居として...
松永延造 「アリア人の孤独」
...陰気な玄人らしい眼付をした...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...朝からいかにも陰気な小雨で...
宮本百合子 「刻々」
...何をいうにもこんな陰気な家で...
柳川春葉 「怪物屋敷」
...気のめいるような陰気な調子で...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...ひどく陰気な晩だぜ...
山本周五郎 「ゆうれい貸屋」
...それとまた、何よりここの変って来た事は、陰気な牢内が、いつのまにか陽気になって来た事だった...
吉川英治 「茶漬三略」
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