...陋巷を歩くのは怖い...
...この町には陋巷が多い...
...彼は陋巷に住んでいる...
...陋巷に面した家は安い...
...この商店街の裏には陋巷がある...
...すこしも風の気とてない蒸暑く鬱滞した陋巷の空気が泥水のやうに動かずにゐた...
飯田蛇笏 「薄暮の貌」
...或時は陋巷(ろうかう)月を踏んで惆悵(ちうちやう)として咨嗟(しさ)し...
石川啄木 「閑天地」
...夙(つと)に実業に雄飛せんとする君がこの陋巷(ろうこう)の貧乏文人に何の求むる事があるかというような頗るイヤ味タップリなものだった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...彼は矢張り陋巷(ろうこう)に彷徨(さまよ)う三流作家であることを懐(なつか)しく思い...
海野十三 「火葬国風景」
...おだやかにつつましく陋巷(ろうこう)に生きる人生も悪くはないと思うが...
高見順 「いやな感じ」
...陋巷(ろうこう)に史書をあさり...
太宰治 「虚構の春」
...陋巷(ろうこう)の聖母があった...
太宰治 「俗天使」
...プラツア・デ・カタルニア街というのはそういう陋巷(ろうこう)であったが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...これだけの資産を蓄えながら再び妻を娶(めと)ろうともせずプラツア・デ・カタルニアの陋巷で独り暮しを続けております...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...その同門なる芳幾は依然として浮世絵在来の人物画を描きしの故か名声漸く地に落ち遂に錦絵を廃して陋巷(ろうこう)に窮死せり(明治三十七年七十三歳を以て歿す)...
永井荷風 「江戸芸術論」
...次第に今日の如き特徴なき陋巷(ろうこう)に化せしむる階梯(かいてい)をつくった...
永井荷風 「里の今昔」
...それも昭和現代の陋巷(ろうこう)ではなくして...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...陋巷(ろうこう)にすみついたような魚である...
中谷宇吉郎 「貝鍋の歌」
...この加頭一家の輝夫が死んだ時――もう家の書生はしていなかった――陋巷(ろうこう)に死したのだが...
長谷川時雨 「古屋島七兵衛」
...私はこの称念寺から程遠からぬ陋巷に住む寄席芸人のわかい女を埒もなく恋しつゞけて...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...本所業平(なりひら)の陋巷(ろうこう)...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...その上はじめ西ヶ原の雪中庵ちかくの西洋洗濯店の二階借りをしてゐたのがやがて近傍の陋巷に佗びしい長屋の一軒をみつけて移り住んだとき...
正岡容 「滝野川貧寒」
...「陋巷に窮死するは文士の本分なり」といつたやうなことを...
正宗白鳥 「心の故郷」
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