...事務員は真鍮(しんちゅう)の眼鏡をかけた好人物らしい老人だった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...右の戸に「医務室」と書いた頑丈(がんじょう)な真鍮(しんちゅう)の札がかかっていて...
有島武郎 「或る女」
...姉はこの頃仏いぢりにかまけて居るのであの時も真鍮の仏具を磨いて居た...
有島武郎 「お末の死」
...おっさんは片手で車体の真鍮(しんちゅう)の棒を握り片手で大きなリュックの紐を握っている...
梅崎春生 「蜆」
...かれは真鍮の棒につかまって...
田山花袋 「少女病」
...縁側へ幾個(いくつ)も真鍮(しんちゅう)の火鉢を持ち出して灰を振(ふる)っていた...
徳田秋声 「足迹」
...真鍮や鉄の硯は、初めからあまり墨のおり方がよくなく、使っているうちにすぐ面が平滑になって、墨は殆んどおりなくなってしまう...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...代助が真鍮を以て甘んずる様になったのは...
夏目漱石 「それから」
...装身具は耳環・頸環・腕環・踝環などで、上物は金銀、普通は真鍮、安物はガラスなどで出来ている...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...あとの二本は眞鍮臺(しんちうだい)に銀流しをかけた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...真鍮(しんちゅう)のメガホンに口をあて...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...襟(カラー)に真鍮の番号をつけられていたそのとおり...
宮本百合子 「女靴の跡」
...真鍮のホオクを脱(はづ)した...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...また吉原五徳(よしわらごとく)や灰均(はいならし)などの美しいのを真鍮(しんちゅう)で様々に作ります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...向うの隅に真鍮(しんちゅう)張りの大トランクがあって表に白い文字でGEORGE・CRAYと書いてあるが...
夢野久作 「暗黒公使」
...心臓を警戒して久しく湯に這入らなかったせいか皮膚が鉛色にドス黒くなって睡眠不足の白眼が真鍮色(しんちゅういろ)に光っている...
夢野久作 「冥土行進曲」
...赤い地(ぢ)に真鍮粉(しんちうこ)の梨地(なしぢ)をした力車(りきしや)などが先(ま)づ目を引いた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...大きな真鍮(しんちゅう)の歯車だの油穴のあいている鉄板だの振子だのが...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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