...貴樣は何だ、鉛ぢやないか、歡びも、悲しみも、怒りも、恨みも、重く、鈍く、光なく、薄汚く、よぼ/\と、のろ/\と、跛(いざ)り行かしむる貴樣は鉛の精ぢやないか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...静かに鈍く生命を脅かす腰部の痛み...
有島武郎 「或る女」
...血のめぐりが鈍く重く五体の奥の方だけを動くようで...
有島武郎 「星座」
...筋肉や脳髄の働きが鈍くては...
丘浅次郎 「生物学より見たる教育」
...その機(はずみ)に自分の眼がはからずも社長の鈍く冷たく光ってる眼とちらと途中で出会った...
相馬泰三 「六月」
...道具の拵え方が鈍くて...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...鈍く稲妻がひらめくたびにやはり震えるように見える遠い家々の黄いろっぽい正面やを...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...運動的知覚がひどく鈍く...
豊島与志雄 「蜘蛛」
...にこやかに鈍くなり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自分の欲しもしない・無味な概念のかたまりを考へることによつて感覺を鈍くしようと力めた...
中島敦 「かめれおん日記」
...そのまま動作を鈍くしていた...
早川鮎子 「穂高岳屏風岩にて」
...方作のつかないやうな錘が体中の力を鈍くしてしまふのでありました...
林芙美子 「小さい花」
...鈍く感じてるのとよく似ていた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...鯉が鈍く動いていた...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...鈍くても好いから「一つ」に止まりたかつたのである――そんな空想に時々走つた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...熱を持って鈍く重たい頭の中で...
水上滝太郎 「九月一日」
...その上老いて頭の働きが鈍くなっているせいでもあろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...物を考へる事は一層鈍く...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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