...その動作は荒つぽくて、不規則で、そして鈍い...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...一帯を鈍い光が射している...
梅崎春生 「幻化」
...首は、鈍い音をたてて、彼の足許(あしもと)に転(ころが)った...
海野十三 「鬼仏洞事件」
...鈍い苦痛がなんとも言えぬいやな感じで...
高見順 「いやな感じ」
...これもプスッと鈍い音を立てて檻の中を嗅ぎ廻っていた犬は...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...そうだとすると逆に災難をなくすればなくするほど人間の頭の働きは平均して鈍いほうに移って行く勘定である...
寺田寅彦 「災難雑考」
...静かであるだけ、いかにも鈍い、薄暗い...
永井荷風 「曇天」
...なるほど神経も鈍いだろう...
夏目漱石 「虞美人草」
...臺座の蓮華(れんげ)一つろくなものが彫れなかつたので御座います」「――」「腕は鈍いが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こんな白雨のふつてる間どこにも新しい信仰はありはしない詩人はありきたりの思想をうたひ民衆のふるい傳統は疊の上になやんでゐるああこの厭やな天氣日ざしの鈍い季節...
萩原朔太郎 「青猫」
...ふと僕の耳に僕のゴム底靴の鈍い喘ぐやうな音がきこえる...
原民喜 「魔のひととき」
...鈍い百々子にもすぐわかった...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...鈍い灯火(あかり)に...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...働きかけることの鈍いちょっとした暗示...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...しかし明瞭につづく鈍い物音には...
山川方夫 「愛のごとく」
...この器械的地震に対して私達の反応は鈍い...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...彷徨(さまよ)うのを鈍い目で追跡し...
蘭郁二郎 「自殺」
...眼は鈍い焔のように見える...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
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