...なにかといっては月のうちに一度(ど)も二度(ど)も里方(さとかた)へ相談(そうだん)にいく...
伊藤左千夫 「老獣医」
...『よくそれでもねえ!』窕子は何方ともつかないやうなことを言つて、『それでも昔の話などをなさることがございますか?』『ちつとも……』若い尼は頭を強く振つて見て、『いつもあゝして經を誦してゐられるばかりです』『それでも、東國の話などをなさるやうなことは?』『この山の中がよう似てゐるなんて言ふには言ひますけれども……そんなことはもうあまり多く考へてはゐられないやうでございますね……』『それでお里の方からは、たまには何方かがお見えになりますか?』『ところが、そのお里方にも、もはやその時分の方はいらつしやいませず、ひとり殘つてゐらつした姉の姫宮――御存じでゐらつしやいませうが、兵部卿にかたづいてゐらつした方、あの方が一年ほどはよくおたづねになりましたが、昨年おかくれになりましたので、もう何方もお出でになる方がございません...
田山花袋 「道綱の母」
...即ち前に述べた私の祖母の里方の甥である...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...継母の里方春日に久しく出入していた男を特に雇入れた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...濱町の里方(さとかた)に招かれて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...御里方に遺骸を運び...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それに、奧方御里方、酒井左衞門尉樣への聞えも如何、――早急に片附ける工夫はないものか」「――」「もう一つ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...」「里方にまいっては何故(なぜ)わるいことになるのです...
室生犀星 「花桐」
...」「里方には父も母もみないられます...
室生犀星 「花桐」
...平野町の里方は有福なので...
森鴎外 「最後の一句」
...平野町の女房の里方(さとかた)から...
森鴎外 「最後の一句」
...里方の親類が承知しません...
森鴎外 「蛇」
...小字(こあざ)岡にある翁の夫人の里方で...
森鴎外 「安井夫人」
...里方(さとかた)の用をしていたのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...その与九郎の里方...
夢野久作 「名君忠之」
...とりあえず里方西村家へこの事を申入れて諫(いさ)めさせる...
夢野久作 「名君忠之」
...だが、四十年も添うてきた其方(そち)までが、この年齢(とし)にもなって、里方に帰るとは、何たる事じゃ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...里方も里方であり...
吉川英治 「親鸞」
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