...どんな遥かな隔りがあろうと...
大島亮吉 「涸沢の岩小屋のある夜のこと」
...市民の群れは踵(きびす)を接して眼下遥かなる正門の前に集いて徊(ていかい)顧望立ち去りも得で敬虔なる黙祷を捧げておりました...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...火と音との遥かなる一角に向って歩み出しましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...遥かな稜線の上に...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...そんなことはどうでもいい! ああ夜!……天上の力! 何という素晴らしい夜が天空を領していることだろう! ああ大気! そして高く遥かな大空が...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...遥かな紫色の連峰を眺めてゐた...
牧野信一 「籔のほとり」
...しかしながら旅は単に遥かなものではない...
三木清 「人生論ノート」
...」筒井は三年が四年になるか四年が五年になっているように遥かな昔におもえた...
室生犀星 「津の国人」
...だから今見たと思って次に振り返ると遥かな向(むこう)に雲のように走って行くという話であった...
柳宗悦 「全羅紀行」
...是などは遥かなる南方の島々との間に...
柳田国男 「海上の道」
...砂原のなかには、一ところ、廃墟のやうな、一段盛りあがつた丘の上に、方形な白い石の家が立ち、遥かな前方には、一すぢの廻りくねつた川が茂つた木立ちの中を縫つてゐる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...善光寺の御堂があるという遥かな丘陵を指さした...
吉川英治 「上杉謙信」
...おそろしく遥かな声で...
吉川英治 「新・水滸伝」
...遥かな内宮正殿のほうへ向い...
吉川英治 「宮本武蔵」
...背景を成す沸き立つような半ば光輝を帯びた雲は、曖昧で希薄な、地球を遥かに離れた<彼方であること>(*14)を暗示する言語に絶した何かを抱き、遥かな距離を、全き孤絶を、侘しい荒廃を、足を踏み入れることも測鉛を投ずることも叶わぬこの南の世界の悠遠の死を、ぞっとする程に思い起こさせた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...何百万という鋭い精神をより安全な未来に住む異様な身体の中へと遥かなる時を隔てて送り出さなければならなくなるのだ――が古きものどもに勝利を齎す最後の侵攻と関連があるのは歴然としていた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...遥かな渓を思ふごとに私の心にはいつもそれら寂しい人たちの影が浮んで来る...
若山牧水 「渓をおもふ」
...飛騨焼岳の頂上に立って足許に湧き昇る噴煙に心をとられながらも端なく遥かな雲の波の上に抜き出でている富士を見出でて拝み度い思いに撲たれたこともあった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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