...その抱負の一端だも実行の緒に就(つ)く遑(いとま)がない中に思わぬ病のために帰朝すべく余儀なくされた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...どこへ持って行った?」それからの騒ぎを一々克明にここに写している遑(いとま)はない...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...そんなことを云う遑(ひま)があったら...
海野十三 「人造人間事件」
...千勝(しよう)万景(けい)応接(おうせふ)するに遑(いとま)あらず...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...別に考慮する遑も無く寄席の前を通り過ぎた足がすぐ草津の門を這入る...
高濱虚子 「俳諧師」
...近来この種の演劇殆数るに遑あらず...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...一言も物を言う遑(いとま)がなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだ衣帯を解く遑(いとま)もあらせられず...
中里介山 「大菩薩峠」
...小野さんは一字の間投詞を挟(さしはさ)む遑(いと)まなく...
夏目漱石 「虞美人草」
...吾々はカント哲學の根本問題の一つであつたこの問題を今ここに論議する遑もなければ又必要もない...
波多野精一 「時と永遠」
...また越後以北に及ぶ遑がなかつたのかも知れぬ...
原勝郎 「鎌倉時代の布教と當時の交通」
...筆にも記(しる)しがたき語風の異同は枚挙(まいきょ)に遑(いとま)あらず...
福沢諭吉 「旧藩情」
...公事に遑(いとま)ある毎に諸神社を歴訪したことは...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...衣類を身に纏(まと)う遑(いとま)はなかったのである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...朝陽(あさひ)を仰ぐ遑(いとま)もなく...
吉川英治 「新書太閤記」
...休息する遑(いとま)もなく...
吉川英治 「新書太閤記」
...近年だけの武蔵に関する著述だけでも枚挙(まいきょ)に遑(いとま)がないといっていい...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...飛び下りて来て抑える遑(いとま)もなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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