...遂に一飛び飛んで水落しの中に隱れてしまつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...遂に十二月廿一日に三十歳にてはかなくなりぬ...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...中世紀の或説話に曰く、(ト)或小女、旅なるその恋人の帰郷を待ちて、日々路傍に立ちて泣き暮らせしが、遂に化して、一種の野菊となれりと...
高木敏雄 「比較神話学」
......
高見順 「死の淵より」
...遂に蝦夷の騒乱となるに到つて...
太宰治 「津軽」
...だから文部大臣は文部大臣の権威を以て遂に四十名の赤化教授乃至教授候補を××したわけである...
戸坂潤 「社会時評」
...」と遂に保子は云い出した...
豊島与志雄 「反抗」
...遂にはそうせずにはいられなくなりそうだと感じ始めていた...
豊田三郎 「リラの手紙」
...遂に城址には登られずして引返された恐ろしい經驗が記されてゐる...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...これは遂に男の感じない感じでもあるしこの歌のよしあしは私には分らない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...望む所の若い女が遂に向うから来て撞着(ぶつか)った...
二葉亭四迷 「平凡」
...この一言で夫人は遂に決心したのであるが...
穂積陳重 「法窓夜話」
...遂に出版を見るに至った...
光田健輔 「小島の春」
...遂に起たなかつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...どうやら生業にありついている間は、遊びたいが一願の人間も、いったん生活の干潟(ひがた)にほし上がって永い遊びがつづき出すと、彼自身は寝て暮らす根気があっても、旺盛(おうせい)な胃液がやたらに溶かすものを求めて、遂には、仕事がしたい仕事がしたいと、寝言にまでいいだしてくる...
吉川英治 「江戸三国志」
...遂に年の暮れるまで二度と...
吉川英治 「新書太閤記」
...名分のない戦が遂に勝てないことは...
吉川英治 「新書太閤記」
...婆もまた、いつもおぬしと二人連れで歩いているものと思うて、きっと、武蔵を討たいでは措(お)かぬから、見ていなされや、草葉の蔭から――)婆は、朝念暮念、そのことばをいい暮して――といってもまだ――権叔父が骨になってから七日ほどにしかならないが、その一心を自分も骨になるまでは、失うことではないと胆(きも)に抉(え)ぐって、さて、この数日というものを、まるで鬼子母神(きしもじん)のような血相になり、遂に、武蔵のすがたを突き止めて来たのであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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