...そう言って、軽くお辞儀をし、さちよも思わずそっとお辞儀をかえして、ゆくりなく顔を見合せ、ほ、ほと同時にはなやかに笑って、それから二人、気持よく泣いた...
太宰治 「火の鳥」
...彼の気もちは軽くなって来た...
田中貢太郎 「蟇の血」
...皮をめくる様に頭が軽くなる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...キミ子は口を噤んで、中江の様子を窺っていたが、何等か熱烈な意志の動きが浮んでくる筈の彼の顔は、いつまでも不気味に静まり返り、はっきりとした意見を吐露する筈の彼の口は、軽く半ば開いて、白い歯並をみせているきりだった...
豊島与志雄 「立枯れ」
...」と周平は冗談の調子で軽く受け流そうとした...
豊島与志雄 「反抗」
...苦痛を軽くするために...
中島敦 「斗南先生」
...逆上(のぼ)せあがった報告を軽く受けて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...貫々は思いの外軽く...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...予想通り頭は以前より軽く...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...そう思って彼の気持はいくらか軽くなった...
本庄陸男 「石狩川」
...ついサンダルのさきで軽く小あたりに蹴(け)つて見たくなつたものだ...
宮地嘉六 「老残」
...あの小父さんもなるべく軽くて済めばよい」三人門内を振返つてゐる...
三好十郎 「おスミの持参金」
...こんな場合はただ風流な交際として軽く相手をしておくべきで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...やっちゃったんです」罪を軽くしてもらおうなどとは思わないが...
山本周五郎 「さぶ」
...」久慈は急に気軽くなった調子で矢代を見た...
横光利一 「旅愁」
...軽く進んでいますが...
吉川英治 「江戸三国志」
...して何ぞ、この方たちへ、細工物でも誂(あつら)えてくれとでも申すのか」「それもございますが」と、軽く笑って、宿の召使へ、そっと包みらしいものを与えていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...又八は、友達の武蔵(たけぞう)と戦場から落ちのびたこと――そして伊吹のあたりに潜(ひそ)んだこと――お甲という年上の女にかかって、数年のあいだ同棲して苦い経験をし、今では、悔いていることなど、すっかり話してしまうと、胃の中の腐っている物を吐き尽したように、気が軽くなった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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