...ものの気勢(けはい)にも暗い軒下を...
泉鏡花 「歌行燈」
...極貧の家を一軒々々訪ねては...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ことに昔は一軒の店を持つのも容易であった...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...軒のすずめも庭におりたらしい...
永井隆 「この子を残して」
...そこに一軒穢げな藁家の茶店がある...
長塚節 「松蟲草」
...結局、順一の肝煎(きもいり)で、田舎へ一軒、家を借りることが出来た...
原民喜 「壊滅の序曲」
...翌日家の軒端(のきば)を立ち出(い)でぬ...
福田英子 「妾の半生涯」
...中戸川吉二と新橋の東洋軒にゐるから来ないかと誘はれた...
牧野信一 「交遊記」
...さては「馬のす」の釣竿しらべている主のたたずまいに軒低く天井暗かりし震災以前の東京の町家の気配をさながらに目に泛(うか)べられる人...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...蘭軒の外舅(しうと)飯田休庵が聞いたものとして伝へられてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...蘭軒は婢を上原全八郎の家に遣つて敗醤花を乞うた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...柏軒門下に松田道夫さんの来り投じたのは...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...安政四年は蘭軒歿後第二十八年である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...」棠軒の此日に訪うた三家の中に「真野」がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...山門の前にある茶店の軒下へ入った……昼だけ茶を汲む老婆がいて...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...「高木龍耳軒!」三位卿は読みあげるようにひと息で言った...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ほんに違いない」のそのそ先に軒先へ出てしまう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...梅軒は、なにか意味の分らない大声をあげ、お通から自分の刀を(も)ぎ取ろうとして、彼女の手頸(てくび)をつかまえかけたが、狂った馬の後脚は、その二人を刎ね飛ばして、竿(さお)立ちの姿勢になると、鼻をふるわしてまた高くいななき、そのまま弦(つる)をきって放ったように、風を起して驀(まっ)しぐらに駈け出してしまう...
吉川英治 「宮本武蔵」
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