...軈て、裾短かの筒袖を着た志郎と昌作が入つて來た...
石川啄木 「鳥影」
...軈て鐵筆(ペン)を取上げた...
石川啄木 「病院の窓」
...本は兄の身体から三十センチ程手前でバサッという物音がしてぶつかると軈(やが)てドーンと床の上に落ちて来ました...
海野十三 「崩れる鬼影」
...軈(やが)て、時がたつに従って、彼の有頂天な、没思考力な歓喜が、少しずつ少しずつ、意識的になって行った...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...軈(やが)て二人の問題も口にする人がなくなり...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...軈て船員達や出迎えに来てくれた同僚の顔が段々判然(はっきり)と見えてきて意識を回復すると...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「妖影」
...軈ていつものやうに二人とも口が淋しくなつて来た...
外村繁 「将棋の話」
...軈(やが)て行列の進んで来た頃には...
永井荷風 「花火」
...軈てこの線香の燃え切る間に茲の實景を歌に咏めと命ぜられた...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...軈て畑小屋を通過してしまふと...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...そうして全く降り切ると彼のいる厠の側を人が通る音がして軈(やが)て彼のねている部屋の障子をしめる音がした...
浜尾四郎 「夢の殺人」
...軈(やが)て、十時近くになり、富岡は、「さて、帰るかな……」と、つぶやくやうに云つて、外套(ぐわいたう)の内ポケットから、まるめたやうな札束を出して、そのまゝゆき子の膝へ置いた...
林芙美子 「浮雲」
...軈(やが)て、九時一寸過ぎに、二度目の汽笛が鳴り、船はゆるく岩壁を離れ始めた...
林芙美子 「浮雲」
...軈(やが)て目差すお糸さんが膳を下げに来たから...
二葉亭四迷 「平凡」
...軈て私は何を見、そうして驚いたか!私の嘗て知らない不思議な世界が此処から開け初めた...
松永延造 「職工と微笑」
...軈(やが)て風早學士は...
三島霜川 「解剖室」
...ぐんぐん恢復して軈(やが)て...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...一円の金貨が六ツか八ツも有升(ありまし)たがお祖父(ぢい)さまは軈(やが)て其一(ひとつ)をとり出(いだ)して麗々とわたしの手の掌(ひら)へ戴(のせ)て下(くださ)つた時...
若松賤子 「黄金機会」
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