...身一つに降(ふ)りかゝる憂(う)き事の露しげき今日(けふ)此ごろ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...我が身一つの罪はせめていかゞせん...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...以上の報道の商品化は新聞出版がそれ自身一つの企業であることから来る限りの諸結論であったが...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...功名と恩愛とを身一つに仕分けなくっちゃならねえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...身一つで歸つて行きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...身一つで家を出てしまひ...
林芙美子 「浮雲」
...殘るはお蘭さまの御身一つと...
一葉 「暗夜」
...果ては身一つの捨て場に迷ふ者さへある...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...先ず湯煮玉子(ゆでたまご)の黄身二つを裏漉(うらご)しにして生玉子の黄身一つを入れて丁寧(ていねい)に混ぜ合せてそれから芥子(からし)を小匙に一杯と塩を小匙に軽く一杯と胡椒(こしょう)少しと砂糖を小匙に半杯入れて最初にサラダ油を大匙一杯加えてよくよく今の物を攪(か)き混(ま)ぜます...
村井弦斎 「食道楽」
...たとひ香ることは身一つに過ぎずとも...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...こッちの身一つも...
吉川英治 「大岡越前」
...こう考えたから、今朝、召使いや女どもへ、みな暇を出した上、通学してくる子供たちの親も呼んで、都合によって学舎を閉鎖するといい渡し、心おきなく、身一つになって、かくは貴様の後を追って来たわけだ...
吉川英治 「三国志」
...この老人が身一つ長らえて何国(いずこ)へ逃げ行きましょうや」「では...
吉川英治 「三国志」
...あらゆる武器はみな彼の身一つに向って...
吉川英治 「三国志」
...そしてこのときまだ、武士千余人はいたはずであるが、はやくも混雑まぎれに、「いまを措(お)いては」と、附近の藪へ物ノ具を脱ぎすてて、身一つ、どこへともなく落ち去った武士も少なくはない...
吉川英治 「私本太平記」
...まるで身一つのようなぶざまで逃げ帰って来た...
吉川英治 「新・水滸伝」
...(この身一つを捨てる気で...
吉川英治 「親鸞」
...未熟な自分の身一つさえ持てあましているものを――孤剣を抱(いだ)いて明日(あした)のことさえ知れない身であるものを...
吉川英治 「宮本武蔵」
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