...その家の閾(しきい)を跨(また)いで戸外に出る時のいうに言われない焦躁(しょうそう)がまのあたりのように柿江の心に甦(よみがえ)った...
有島武郎 「星座」
...一人の匍匐(はらば)ひたるが上に一人の跨(またが)りたる侏儒(プルチネルラ)抔(など)...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...(三)思想と文学との両分野に跨(またが)つて起つた著明な新らしい運動の声は...
石川啄木 「弓町より」
...先生は引跨(ひんまた)ぐ体に胡坐(あぐら)の膝へ挟んで...
泉鏡花 「婦系図」
...夜店の前に立ち止る人を縫ひながら大跨(おほまた)に歩いた...
犬養健 「朧夜」
...そしてこれらの女の神官達は祭礼の時などには皆馬に跨ったのである...
伊波普猷 「ユタの歴史的研究」
...何んだか冷汗を掻(か)く思いで敷居を跨(また)ぎ...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...彼の無二の珍書が馬乗りに跨がつて...
辰野隆 「書狼書豚」
...家の閾(しきい)を跨ぐまでは可なり元気に歩きましたね...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...私はひらりと昇降口を跨いだ...
谷崎潤一郎 「恐怖」
...そこからほんの一と跨(また)ぎの所にある洋裁学院の門をくぐったのは...
谷崎潤一郎 「細雪」
...急いで馬の鞍に跨って駈け去ることも...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...ここから跨ぎ越して...
豊島与志雄 「絶縁体」
...竹の垣根を跨いで市木さんのところへ行くことになった...
豊島与志雄 「絶縁体」
...先生の敷居を跨(また)がなかった...
夏目漱石 「こころ」
...あの生垣が一と跨(また)ぎだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――放恣で大胆な若者は黒馬(あを)に跨がり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...鏡の面をチラリと真白い馬に跨った騎士の影が掠めた...
宮本百合子 「衣服と婦人の生活」
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