...今日は珍しく見送りの人影さへ跡を絶つて...
芥川龍之介 「蜜柑」
...他人を飜弄せむとする興味が全然跡を絶つてゐるとは勿論いへないが...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...また実験的の仕事を軽侮するような有識者の考え方も跡を絶つようになった...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...世に迷信の痕跡を絶つことはむずかしいと考えます...
井上円了 「おばけの正体」
...スチュアート家は全く跡を絶つに至り...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...乾坤に一擲くれし大夕立耳一つ恵み残され冬籠寒卵取りに出しのみ今日も暮れ農地改革の声が旺んになつて来た時分から素顔君の俳句はぱつたりと跡を絶つてしまつた...
高浜虚子 「椿子物語」
...固有な和服が跡を絶つ日はちょっと考えられない...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...支那の氏族制度と云ふものは遠く既に三代以後其の跡を絶つて仕舞つたから...
内藤湖南 「平安朝時代の漢文學」
...何が故にその跡を絶つに至れるや...
永井荷風 「江戸芸術論」
...まだまだ伝統的な好事家(こうずか)の跡を絶つまでには至らないのかと...
永井荷風 「深川の散歩」
...然し渡場(わたしば)は未(いま)だ悉(こと/″\)く東京市中から其の跡を絶つた訳ではない...
永井荷風 「水 附渡船」
...『文学なぞは早晩地上から跡を絶つに決つてゐるもので...
中原中也 「非文学的文士」
...更にいづれも内容的他者でありながら同一自己性の表現としての性格を擔ふといふ程度の多義性さへも全く跡を絶つ...
波多野精一 「時と永遠」
...遂にこの風習はその跡を絶つに至ったということである...
穂積陳重 「法窓夜話」
...博奕は殆んど跡を絶つに至ったということである...
穂積陳重 「法窓夜話」
...浪人の乱ともいうべきものは全くその跡を絶つに至った...
穂積陳重 「法窓夜話」
...さういふ優れた人間の典型は以後の文學から全く跡を絶つてしまつたのです...
堀辰雄 「若菜の卷など」
...良吉のゐた時分のやうな賑やかな笑ひ聲や打ち解けた雜談は二階では跡を絶つてゐて...
正宗白鳥 「入江のほとり」
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