...殊に近頃は見越しの松に雪よけの縄がかかったり...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...人間は午後からのすばらしい天氣を見越して生きかへる樣に喜び...
千家元麿 「自分は見た」
...見越しの松に板塀(いたべい)の小ざっぱりした造りの二階家が三四軒並んでいるうちの一軒で...
谷崎潤一郎 「細雪」
...行く先々で、その時はまるで荷厄介のように思って、惜げもなく知った人にくれたり、棄値(すてね)で売ったり又は著崩(きくず)したりして、何一つ身につくもののなかったお島は、少しばかり纏(まと)まった収入の当がつくと、それを見越して、月島にいる頃から知っていた呉服屋で、小野田が目をまわすような派手なものを取って来て、それを自分に仕立てて、男をも着飾らせ、自分にも着けたりした...
徳田秋声 「あらくれ」
...暗くなるのを見越しての仕事だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...誂(あつら)へたやうな見越しの松...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...予定を見越した上で行動する...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...防空演習を見越して招待券も大分出てるのだらう...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...たぶん本官はこの忌々しい事件関連を全部見越していたと思うが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...後日を慮(おもんばか)って二年分の見越しをつけて買い込んだ...
本庄陸男 「石狩川」
...気取つた趣味などを挙げるであらうことを賢い延若丈(だけ)は見越して...
牧野信一 「松竹座を見て(延若のこと)」
...ソバ粉の値上りを見越して...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そんなこんなを黒田の方ではちやんと見越しているんだ...
三好十郎 「肌の匂い」
...これはだれかねえ」としつこそうな声で言い姫君のほうを見越した時には...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この方面へ崩れ立って来ることを必然と見越し...
吉川英治 「上杉謙信」
...觀光客の激増を見越して...
吉川英治 「折々の記」
...ほぼよい解決の見越しもあるらしい兄の文意である...
吉川英治 「私本太平記」
...見越し、先行きということではないか」「仰っしゃるとおりでございます」「すると、そちの見越しは、ちと目の前に滞(とどこお)りすぎておる...
吉川英治 「新書太閤記」
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