...そして彼自らの手で紡ぎ、織り、裁ち、縫ひ上げたところの、彼の肉体以上にさへ彼らしい軽羅(けいら)をのみ纏(まと)ふて今、彼一人の爽かな径(みち)を行つてゐる...
生田長江 「我が一九二二年」
...それを裁ち直すのだ...
伊東静雄 「わがひとに与ふる哀歌」
...赤幡(あかはた)を裁ち四...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...夏きてまたも新らしく薄ら衣服(ごろも)を裁ちきれど...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...また「裁ち逢わぬ衣は誰も着ぬものを...
高木敏雄 「比較神話学」
...あわてて自分のふところを裁ち割り...
太宰治 「春の盗賊」
...これらの沢山な衣裳の多くは突飛な裁ち方になっていましたから...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...さまざまな裁ち布が一杯...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...色紙で小さな衣服を裁ち...
豊島与志雄 「蓮」
...どっちもおなじ服装、おなじ裁ち方、おなじ香水、おなじように剥き出しにした腕、肩、胸、おなじように突き出したトゥルニュール、同じような宝石やぴか/\した高価なものに対する烈しい愛着、おなじような娯楽、ダンス、音楽、唱歌‥‥向うがあらゆる方法を尽して男を誘惑しようとすれば、こっちもやはり同じことをしているのです...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...夕より雨のいたくふりいでたればさきはひのよしとふ宵の春雨はあすさへ降れどよしといふ雨春雨に梅が散りしく朝庭に別れむものかこの夜過ぎなば宵すぐるほどに雨やみてまどかなる月いづあすはよき日と思はれければしば/\も裝ひ衣ぬぎかへむあすの夜寒くありこすなゆめなほ思ひつゞけゝる柞葉の母が目かれてあすさらばゆかむ少女をまもれ佐保神夜をこめてあけの衣は裁ちぬひし少女が去なば淋しけむかも四月十七日...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...ふぞくした繻絆でも、下布でも、みんな堅長、横長、角型であるから、たち屑も出ないが、裁ち、縫ふのが樂であると共に、着るのも樂だ...
長谷川時雨 「きもの」
...ふぞくした襦袢でも、下布でも、みんな竪長、横長、角型であるから、たち屑も出ないが、裁ち、縫ふのが楽であると共に、着るのも楽だ...
長谷川時雨 「きもの」
...裁ちぎれは探せばありますよ...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...奥いっぱいにひろげられた裁ち板の前で歯入れやの神さんは...
「朝の風」
...年を取った女房たちが裁ち物などを夫人の座敷でしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その裁ち口をもう一度鋏で切り直して...
室生犀星 「神のない子」
...「手が荒れているようだが」と終りに重太夫が作兵衛に訊いた、「そのほうでは娘に水仕事などをさせるのか」「家風でございまして」と作兵衛は答えた、「娘どもには芸ごとよりも、拭き掃除、炊事、裁ち縫いから、洗濯までさせるのが、しきたりでございます」重太夫の唇にうす笑いがうかんだ...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
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