...省作は表口からは上がらないで...
伊藤左千夫 「春の潮」
...表口裏口から門内になだれこみ...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...」十数名の血気の店員たちは、手に手にこん棒と懐中電燈を持って、あるいは表口、裏口をかためるもの、あるいは隊を組んで、家中を家さがしするもの、それはそれは、たいへんなさわぎでした...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...表口から、庄吉が振返って「深雪さんにゃ、手前がついていやす...
直木三十五 「南国太平記」
...お嬢さん、あの富士春って、あっしの女、御存じでしょう」「はい、いつか、一度、お目にかかりました」「あいつめ、あっしの手は無くなるし、二人の仲あ、町内へ知れて、弟子は来なくなるし、近頃は、流しでさあ」「流し?」「そう、表口へ、べんべん弾いてくる奴がござんしょう」「まあ、あんな稼業に――」「で――」と、いった庄吉の言葉は、微かに、湿っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...さながら人なき家の如く堅くも表口の障子を閉めてしまった土弓場の軒端(のきば)には折々時ならぬ病葉(わくらば)の一片(ひとひら)二片(ふたひら)と閃(ひらめ)き落ちるのが殊更に哀(あわれ)深く...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...表口では下足番(げそくばん)の男がその前から通りがかりの人を見て...
永井荷風 「雪の日」
...ここをあけて下さい」久助とお雪とは表口へ走り出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...唯一の逃げ道なる表口へ飛付いたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...表口から堂々と出て行ったお浜を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...表口から入るのを遠慮して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...表口へ出る往来添(ぞ)いの広場に...
林芙美子 「河沙魚」
...表口へ二人の仲間同士が袋を担ぎこんだ物音を聞いて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...クレメント噴水の馬にでもイダーリア通りの表口に近々建つことに決つたラオコーンにでもなることを厭はない! と云つたぢやないか...
牧野信一 「山彦の街」
...表口からおはいりんなりゃいいのに...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...ここが表口になるらしい...
森鴎外 「普請中」
...固(かた)い家では表口(おもてぐち)に俵(たわら)をならべその上に花嫁を坐(すわ)らせて...
柳田国男 「こども風土記」
...その男は私を蕗子の家の表口から連れこみました...
山下利三郎 「流転」
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