...2一つ蚊帳に寢ることは一つ部屋に寢ると云ふよりも遙かに對手との親しみを深くする...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...何の蚊のと申すのは未だ贅沢をいう余地があるからです...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...虫売の荷を下ろすとき喧(やかま)しき秋の蚊を手もて払へばなかりけり九月五日 句謡会...
高浜虚子 「六百句」
...蚊群襲来のうれいもなく...
太宰治 「創生記」
...蚊帳がある」お岩はあきれた...
田中貢太郎 「南北の東海道四谷怪談」
...円(まど)かなる夢百里の外に飛んで眼覚むれば有明の絹燈蚊帳(かや)の外に朧(おぼろ)に...
寺田寅彦 「東上記」
...もし色の違ったいろいろの蚊帳(かや)があったら試験してみたいような気もした...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...顔にふるる芭蕉(ばしょう)涼しや籐(とう)の寝椅子(ねいす)涼しさや蚊帳(かや)の中より和歌(わか)の浦(うら)水盤に雲呼ぶ石の影涼し夕立や蟹(かに)這(は)い上る簀(す)の子(こ)縁(えん)したたりは歯朶(しだ)に飛び散る清水(しみず)かな満潮や涼んでおれば月が出る日本固有の涼しさを十七字に結晶させたものである...
寺田寅彦 「涼味数題」
...ランプが消えて家のうちが全く闇くなつた時ぱさ/\と復た蚊帳の裾をあふる音がしてさうして箱枕がぎり/\と微かに鳴つた...
長塚節 「開業醫」
...それで居て彼は蚊帳の釣手を切って愚弄されたことや何ということはなしに只心外で堪らなくなる...
長塚節 「太十と其犬」
...一ツ蚊帳には寝ないや...
林芙美子 「新版 放浪記」
...私の蚊帳にはいって来た...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...朝夕の秋風身にしみ渡りて上清(じやうせい)が店の蚊遣香懷爐灰に座をゆづり...
樋口一葉 「たけくらべ」
...袋を背負ふた蚊トンボのやうな青年が...
牧野信一 「湖の夢」
......
正岡子規 「俳人蕪村」
...あの空屋敷の昼蚊帳(ひるがや)は...
吉川英治 「江戸三国志」
...その蚊帳のすそに戯れていた亀一(かめいち)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...微酔(びすい)を蚊帳につつむのが惜(おし)まれた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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