...源氏の空しく蓬蒿の下に蟄伏したるを見る...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...春雨や蓬(よもぎ)をのばす草の道赤坂にて無性(ぶしやう)さやかき起されし春の雨僕はこの芭蕉の二句の中(うち)に百年の春雨を感じてゐる...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...櫛の痕なき頭髮の蓬々たるに...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...今は蓬髪(ほうはつ)の...
梅崎春生 「幻化」
...蓬髪(みだれがみ)素面(すがほ)にて天質(うまれつき)の艶色(えんしよく)花ともいふべく玉にも比(ひ)すべし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...桑の弧(ゆみ)と蓬(よもぎ)の矢をこしらえて...
田中貢太郎 「愛卿伝」
...なんでもないみち・林も春の雨と水音の二重奏・かろいつかれのあしもとのすみれぐさママとよばれつつ蓬摘んでゐる・藁塚ならんでゐる雑草の春あれこれ咲いて桜も咲いてゐる・春はまだ寒い焚火のそばでヨーヨー・みんなかへつてしまつて遠千鳥三月廿七日どうやら霽れさうだ...
種田山頭火 「其中日記」
...ある日学校の付近の紅梅をえがいてみたが、色彩がまずいので、花が桃かなんぞのように見えた、嫁菜(よめな)、蓬(よもぎ)、なずななどの緑をも写した...
田山花袋 「田舎教師」
...日に燒けた顏、土に塗れた着物、荒れた唇、蓬ろなす髪、長く生えた鬚、さういふものが到るところにあつた...
田山花袋 「歸國」
...蓬莱亭で時々竹内と出逢うのを...
豊島与志雄 「反抗」
...蓬々(ほうほう)とした髪の毛の白くなったさまは灰か砂でも浴びたように爺(じじ)むさく...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...それを蓬莱(ほうらい)の霊液(れいえき)に溶(と)いて...
夏目漱石 「草枕」
...「杉(スギ)」「萩(ハギ)」「柳(ヤナギ)」「蓬(ヨモギ)」「過ぎ」などの「ぎ」には(乙)類の文字を用いて...
橋本進吉 「国語音韻の変遷」
...いつのまに蓬(よもぎ)がもとと結ぼほれ雪ふる里と荒れし垣根(かきね)ぞ源氏はこんなことを口ずさんでいた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...挽いて粉にして置いて糯粟などを加へ澤山の蓬や山牛蒡の葉を搗き込んで草餅として...
柳田國男 「食料名彙」
...挽いて粉にしておいて糯・粟などを加えたくさんの蓬(よもぎ)や山牛蒡(やまごぼう)の葉を搗き込んで草餅として...
柳田國男 「食料名彙」
...黄色い胡麻塩(ごましお)頭が蓬々(ほうほう)と乱れて...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...その左の端に蓬たる白髪を海風に吹かせつゝ低首(うなだ)れたるは初花の母親にやあらむと思ひしに...
夢野久作 「白くれない」
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