...死骸の顔のある方から蒼白い痩せこけた一本の手がすうと出て...
田中貢太郎 「死人の手」
...それは八番のあれの陸(おか)の方になった松の梢に蒼白いぼうとした月の円さ位のものがあって...
田中貢太郎 「鷲」
...「御座います――――」「何処だね?」女中は蒼白い小さな顔をあたりにくつきりと見せながら...
田山録弥 「時子」
...顎髯(あごひげ)の伸びた蒼白い顔は...
徳田秋声 「あらくれ」
...死んだような雪は蒼白い眼で彼等を眺めた...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...その蒼白い光と澄み渡る深い空の色とが...
永井荷風 「霊廟」
...蒼白い顏と、華奢(きやしや)な身體を見ると、兩刀は手挾(たばさ)んでも、武藝などとは縁の遠い男に見えますが、その代り眼の鋭い、鼻の高い、細面の唇のよく締つた、如何にも智慧と意志を思はせる顏立ちです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「…………」蒼白い顔を硬張(こわば)らせて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...峻烈な寒氣が凝集(ぎようしふ)してゐる』この不氣味な蒼白い領域(りやうゐき)に...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...……その蒼白い少女が倒れたのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...蒼白いくせに輝いて見える美しい大きな口とで...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...その蒼白い頬に浮かんでいる軽蔑を...
宮本百合子 「明るい海浜」
...その蒼白い疲れた顔を見た人は...
宮本百合子 「キュリー夫人」
...どちらかといへば私は彼女の顏の蒼白いのを恐れた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...ふしぎな蒼白い星のかずかず...
室生犀星 「寂しき魚」
...いつも寝たり起きたりしていた病身らしい蒼白い顔...
山本周五郎 「柳橋物語」
...蒼白い汗が輝やき流れて……額(ひたい)の皺を逆さに釣り上げて……乱脈な青筋をウネウネと走らせて……眼をシッカリと閉じて……義歯(いれば)をガッチリと喰い締めて……両手でシッカリと椅子の肱に掴まりながら...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...番台には十七八の色の蒼白い内気な娘が坐つてゐた...
横光利一 「悲しめる顔」
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