...そうしてその町の右側に、一軒の小さな八百屋(やおや)があって、明(あかる)く瓦斯(ガス)の燃えた下に、大根、人参(にんじん)、漬(つ)け菜(な)、葱(ねぎ)、小蕪(こかぶ)、慈姑(くわい)、牛蒡(ごぼう)、八(や)つ頭(がしら)、小松菜(こまつな)、独活(うど)、蓮根(れんこん)、里芋、林檎(りんご)、蜜柑の類が堆(うずたか)く店に積み上げてある...
芥川龍之介 「葱」
...きんぴら牛蒡(ごぼう)やきんぴら糊に名を残したばかりか...
淡島寒月 「梵雲庵漫録」
...一體佐渡と言ふ處は何でも小さく出來る處でして、青野峠附近から南にも北にも島全體に亙つて燒印を押して放牧してある牛も犢ほどしかなく、大根も東京邊の四分の一ほどしかなく、林檎の直徑がほぼ半分、桃も三分の一ほど、牛蒡、葱すべてその調子で、人間だけが折折づぬけて稀には六尺豊なのも居る處ですが、栗も此例に洩れず柴栗ばかりで、その中でやや大きいと言つても支那の甘栗よりも少し小さい位のをばんばん栗――恐らく丹波栗の訛でせう――と言つて居ります...
江南文三 「佐渡が島から」
...(一)町立病院(ちやうりつびやうゐん)の庭(には)の内(うち)、牛蒡(ごばう)、蕁草(いらぐさ)、野麻(のあさ)などの簇(むらが)り茂(しげ)つてる邊(あたり)に、小(さゝ)やかなる別室(べつしつ)の一棟(むね)がある...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...私に卵焼きと金平牛蒡をよこして...
太宰治 「冬の花火」
...午蒡の樹になったものに...
田山花袋 「新茶のかおり」
...まず牛蒡(ごぼう)といった感じの二重顎にも...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...籬の蕁麻(いらくさ)や山牛蒡(やまごぼう)の中に眠っているリザヴェータの姿を見つけたというわけである...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...俺(お)ら家(ぢ)や田植(たうゑ)迄(まで)は有(あ)るやうに庭(には)へ埋(う)めて置(お)くのよ」亭主(ていしゆ)は自分(じぶん)も椀(わん)の牛蒡(ごぼう)を挾(はさ)んでいつた...
長塚節 「土」
...「人の法事で牛蒡(ごぼう)をする」という諺(ことわざ)がありますが...
火野葦平 「花と龍」
...大根や牛蒡(ごぼう)を煮て喫(くわ)せると云うことに就(つい)て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...)大蒜 小蒜款冬(フキ)茗荷(メウガ)土當滿(ウド)百合 牛房〔蒡〕胡頽子(グミ)苺(イチゴ)虎杖(イタドリ)等なり...
松浦武四郎 「他計甚※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2-94-57](竹島)雜誌」
...山牛蒡(ごぼう)の花とまだ青い小さい実の房などがささって居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...竹の子と昆布と一緒に湯煮ると双方ともに柔くなる事は聞いて居たが牛蒡にも利くかね...
村井弦斎 「食道楽」
...○牛蒡は蛋白質三分二厘...
村井弦斎 「食道楽」
...挽いて粉にして置いて糯粟などを加へ澤山の蓬や山牛蒡の葉を搗き込んで草餅として...
柳田國男 「食料名彙」
...今でも牛蒡(ごぼう)を掘るという感じで使われているが...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...鋭利な刃物のすげてある牛蒡(ごぼう)のような黒い棒を横に持って...
吉川英治 「江戸三国志」
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