...折から畳障りの荒らかなる...
泉鏡花 「活人形」
...荒らかに廊下を踏んだ...
泉鏡花 「婦系図」
...英臣は荒らかな声して...
泉鏡花 「婦系図」
...毎度有難うとは何事ぞと戸も荒らかにピシャリし切って奥へおはいりになったとか...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...荒らかに封を切るということはなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...極めて荒らかにその揉紙(もみがみ)で拭いをかけはじめました...
中里介山 「大菩薩峠」
...やがて櫓拍子は荒らかに一転換を試みて...
中里介山 「大菩薩峠」
...ぜひなく肩のところへ手をかけて、ゆすぶりながら、「モシモシ、モシ、お医者様」と呼び起したが、ちょっとやそっと、ゆすぶったのでは、手ごたえがありそうもないから、やや荒らかに、ゆすぶりかけて、「もし、お医者様――お医者様、こんなところへゴロ寝をしては、医者の不養生でござるぞよ」ぐいぐいとやったものですから、ようやく気がついたと見えて、酔眼をポカリと開き、「ムニャ、ムニャ、ムニャ」と言いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...弥之助自身が畑から取って来て荒らかに...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...はなはだ荒らかなものである...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...むかしの士族の正体が現われて言葉も荒らかったと見える...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...すぐさま自ら法廷に赴いて「直ちに被告を釈放せよ」と声も荒らかに裁判官に命ぜられた...
穂積陳重 「法窓夜話」
...その鼻息が頗る荒らかった...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...いわく、(延元元年正月、官軍三井寺(みいでら)攻めに)前々(せんぜん)炎上の時は、寺門の衆徒、これを一大事にして隠しける九乳(きゆうにゆう)の鳧鐘(ふしよう)も、取る人なければ、空しく焼けて地に落ちたり、この鐘と申すは、昔竜宮城より伝はりたる鐘なり、その故は承平の頃俵藤太秀郷(ひでさと)といふ者ありけり、ある時この秀郷、たゞ一人勢多(せた)の橋を渡りけるに、長(たけ)二十丈ばかりなる大蛇、橋の上に横たはつて伏したり、両の眼は輝いて、天に二つの日を掛けたるがごとし、双(なら)べる角(つの)の尖(するど)にして、冬枯れの森の梢(こずえ)に異ならず、鉄(くろがね)の牙上下に生(お)ひ差(ちご)ふて、紅の舌炎(ほのお)を吐くかと怪しまる、もし尋常(よのつね)の人これを見ば、目もくれ魂消えて、すなはち地にも倒れつべし、されども秀郷、天下第一の大剛の者なりければ、更に一念も動ぜずして、彼(かの)大蛇の背(せなか)の上を、荒らかに踏みて、閑(しずか)に上をぞ越えたりける、しかれども大蛇もあへて驚かず、秀郷も後を顧みずして、遥(はる)かに行き隔たりける処に、怪しげなる小男一人、忽然(こつぜん)として秀郷が前に来(きたつ)ていひけるは、我この橋の下に住む事すでに二千余年なり、貴賤往来の人を量り見るに、今御辺(ごへん)ほどに剛なる人いまだ見ず、我に年来(としごろ)地を争ふ敵あつて、動(やや)もすれば彼がために悩まさる、しかるべくは御辺、我敵を討つてたび候へと懇(ねんごろ)に語(かたら)ひけれ、秀郷一義もいはず、子細あるまじと領状して、すなはちこの男を前(さき)に立て、また勢多の方へぞ帰りける、二人共に湖水の波を分けて水中に入る事五十余町あつて、一の楼門あり、開いて内へ入るに、瑠璃(るり)の沙(いさご)厚く、玉の甃(いしだたみ)暖かにして、落花自ずから繽紛(ひんぷん)たり、朱楼紫殿玉の欄干金(こがね)を鐺(こじり)にし銀(しろがね)を柱とせり、その壮観奇麗いまだかつて目にも見ず、耳にも聞かざりしところなり...
南方熊楠 「十二支考」
...荒らかに戸を開け...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...やがて本堂の正面の格子扉(かうしど)を音荒らかに開きたる者を見れば...
夢野久作 「白くれない」
...荒らかに、兵が輿の引戸を開ける弾(はず)みに、転(まろ)び出して、「上意とは、何か」と、草に坐って、聞き詰(なじ)ッた...
吉川英治 「私本太平記」
...窓外の柿若葉に雨ツブの音も荒らかに馳けて来て...
吉川英治 「随筆 新平家」
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