...荒くれた彼れの神経もそれを感じない訳には行かなかった...
有島武郎 「カインの末裔」
...温い湯気の洩れる暖簾をくぐって、僕は荒くれた二、三人の先客の間に割りこんだ...
海野十三 「深夜の市長」
...たとへば荒くれた漁師が病氣の乞食をいぢめてゐたのだつたら...
太宰治 「お伽草紙」
...さすがの荒くれた漁師たちも興覚める思いで眼をそむけた...
太宰治 「新釈諸国噺」
...荒くれた男がずらりと並んで...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...隧道の難工事に従事してゐる労働者達の荒くれた風貌や関東弁がいかにアムビシヤスな...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...荒くれた人たちがおおぜい...
豊島与志雄 「金の目銀の目」
...狩り出された獣のような荒くれた処女たち...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それをば無理無体に荒くれた馬子供(まごども)が叱(しった)の声激しく落ちた棒片(ぼうぎれ)で容捨もなく打ち叩(たた)く...
永井荷風 「監獄署の裏」
...三人の荒くれた男が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...荒くれた音になった...
久生十蘭 「蝶の絵」
...そのむこうに錆色の荒くれた海が見える...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...もともと、荒くれた立引と、生き馬の眼を引き抜く鋭敏さと、ときには、血で血を洗う争闘さえ、辞せられない請負師をしていたことが、永田杢次には無理なのであった...
火野葦平 「花と龍」
...最も荒くれたまゝ文学の道に励んだ...
牧野信一 「三田に来て」
...矢張り、身一つ、心一つで、どんな難儀にもぶッつかれ――それが、あの方々の、日頃の御庭訓(ごていきん)でもあったのだ――そんなことを思いながら、道案内の供を先に、もうとっぷりと暮れかけた、御蔵前を急いで行くと、突然、つい鼻先で、「無礼者!」と、叫ぶ、荒くれた一声...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...生まの荒くれた現実のひとにぎりが映るだけなのだ...
三好十郎 「冒した者」
...一つの荒くれた手が彼の體躯の上に置かれて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...荒くれた野武士の手も...
吉川英治 「源頼朝」
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