...櫓の下より東に向いて、数十丈の嶮崖を下らねばならぬ、ここが第一の難関、相悪(あいに)く大降り、おまけに、横尾谷から驀然(ばくぜん)吹き上ぐる濃霧で、足懸(あしがか)りさえ見定めかね、暫時茫然として、雨霧の鎮(しず)まるを俟(ま)てども、止みそうもない、時に四時三十分...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...眼の前の書類は全部片付け終ったがそのまま空になった未決の籠を眺めて茫然(ぼんやり)と椅子の肘に頬杖突きながら空虚(うつろ)のような眼を瞠(みは)っていた私の前に...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...そこまで送っておいでになったに違(ちげ)えごぜいません」と茫然(ぼうぜん)と考えてる私を...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...汝ら斯くも茫然と立ちて戰鬪に加はらず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...只一面に茫然たる灰色のうちに物の輪廓が包まれた...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...頭が茫然(ぼうぜん)としていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...後はただ茫とした...
豊島与志雄 「蘇生」
...机に向って暫らく茫然(ぼうぜん)と坐っていましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...冬の日沖に荒れむとして浪は舷側に凍り泣き錆は鐵板に食ひつけども軍艦の列は動かんとせず蒼茫たる海洋の上彼等の叫び...
萩原朔太郎 「氷島」
...」二人共又おしだまって向うの向うの寒い茫々とした海を見た...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...源内先生は、堤の高みへ上り手庇(てびさし)をして、広い萱原(かやはら)をあちらこちらと眺めながら、「先刻(さっき)、聞いたところでは、もうそろそろ蘇州庵というのが見えねばならぬ筈だが、ただ一面、茫々の萱葦原...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...茫漠たる虚空の中に...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...私は道端に彳(たたず)んで、茫然としていた...
二葉亭四迷 「平凡」
...往々陳腐に陥りまたは茫漠(ぼうばく)解すべからざるに至る...
正岡子規 「俳諧大要」
...我々の世紀に至って茫漠たる大陸が...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...茫漠たる知識しかもっておらぬのである...
柳田国男 「雪国の春」
...既に、必要な言葉全部を吐出してしまった人間のように、ただ茫然と、しどけなく床に伸びたルミを、見下しているのであった...
蘭郁二郎 「脳波操縦士」
...「茫乎として暗澹たる」シナの風物をおもしろがっている...
和辻哲郎 「享楽人」
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