...余の死を恐るゝは嫩芽の霜を恐るゝ心である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...まだ芽を吹かない両岸の枯れ葦(あし)の根を静かに洗いながら音も立てずに流れていた...
有島武郎 「或る女」
...何しろお前たちは見るに痛ましい人生の芽生(めば)えだ...
有島武郎 「小さき者へ」
...乞食だつたか犬がほえる藪椿のつそりと乞食で痛さこらへてゐて春めいた一日・椿ひらいて墓がある・これだけ拓いてそらまめの芽三月三日さむい...
種田山頭火 「其中日記」
...沼には蘆の新芽が風に吹かれて...
田山花袋 「新茶のかおり」
...唐の時にはその芽生えが出來た丈けでありまして...
内藤湖南 「近代支那の文化生活」
...潜門(くゞりもん)の板屋根(いたやね)には痩(や)せた柳(やなぎ)が辛(から)くも若芽(わかめ)の緑をつけた枝を垂(たら)してゐる...
永井荷風 「すみだ川」
...孜々として勢力扶植の道を講じ今や漸次再びその萠芽を発せんとするもの少からざるを覚ゆ...
日野強 「新疆所感」
...若芽をつけた古木が...
牧野信一 「サクラの花びら」
...このように年々歳々その切株から芽出たせば...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...最初は麓(ふもと)の近くに在った新茶の芽が...
夢野久作 「狂人は笑う」
...それが一度(ど)葉(は)を落してまた芽(め)を出した...
横光利一 「美しい家」
...「それはお芽出(めで)たいことだったな...
横光利一 「微笑」
...点点とした新芽は鮫小紋に似ていた...
横光利一 「旅愁」
...後の運命相を芽ざしていたことは否(いな)めない...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...醸造業者に対する麦芽の価格は...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...炭焼の煙のうすあおく立ち昇る雑木林のまだ芽ぶかぬなかに咲いているのもまたほのかでものさびしい...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...小供の時から自分の内に芽生えていた反抗の傾向――すべての権威に対する反抗の気風はこれらの思想によって強い支柱を得...
和辻哲郎 「自己の肯定と否定と」
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