「膚」の意味
皮膚
小説での「膚」の使い方
...遊びくたびれて二(ふた)つ巴(ともえ)に寝て居る小さな母子(おやこ)の犬の黒光(くろびか)りする膚(はだ)の上に...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...杉本医師がその膝頭を押し拡げる――私は完全に倒錯した羞恥に、動悸は激しくなり、皮膚は熱を帯び、私の性欲は昂進した...
外村繁 「澪標」
...自分を生じた大地の膚に唇をつけん事を思った...
豊島与志雄 「秋の幻」
...皺よった厚ぼったい顔の皮膚が...
豊島与志雄 「死の前後」
...順一の頬と同じくすべすべした皮膚を...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...官兵衞といふのは六十歳と聽きましたが、澁紙色の皮膚、骨張つた身體、何んとなく逞ましく醜く荒々しく、その上武藝のたしなみも一と通りはあつたといふ位ですから、どう考へても、女子供一人では、易々と殺されさうな人間ではありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...白い芥子のようなうすい皮膚...
久生十蘭 「金狼」
...彼の皮膚の上に匍(は)いまわるような気がした...
平林初之輔 「謎の女」
...つぶった眼と額と――繃帯のすき間にあらわれている彼の皮膚の色艶(いろつや)が...
本庄陸男 「石狩川」
...健康で余り安逸を貪つたことの無い花子の、些の脂肪をも貯へてゐない、薄い皮膚の底に、適度の労動によつて好く発育した、緊張力のある筋肉が、額と腮の詰まつた短い顔、あらはに見えてゐる頸、手袋をしない手と腕に躍動してゐるのが、ロダンには気に入つたのである...
森鴎外 「花子」
...また皮膚病にも塗れば治ったということは...
柳田國男 「日本の伝説」
...うちひらけた丘や野づらはやわらかな土の膚をぬくぬくと日に暖められ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...しがみついている、幼ない、小さな腕の力と、躰温(たいおん)と、そして頬を濡らす涙とが、皮膚をとおして、身内に深くしみとおり、そのまま血の中に混りあうように感じられた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その皮膚を獣医の西木さんが抓(つま)んでみたら全く弾力を失ってしまっていたというんだ...
夢野久作 「無系統虎列剌」
...楽器の中のマニラ人の黒い皮膚からむき出る歯...
横光利一 「上海」
...――車夫はあばたの皮膚へ汗のたまった顔を辻ごとに振り向けて...
横光利一 「上海」
...勝家の皮膚には、汗腫(あせも)に似たものがいっぱいできていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...黒奴(くろんぼ)特有な油光りのしている皮膚に...
吉川英治 「新・水滸伝」
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