...摘まざるままに腐りたる葡萄の実はわが眠(ねむり)目覚むるまへにことごとく地に叩きつけられけむ...
伊東静雄 「詩集夏花」
...大いにふて腐りやアがつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...男役でちょっと売り出していたのを、日東映画に引き抜かれて入社したが、出る映画も出る映画も不成功に終り、腐りきって、身のふりかたを思案していたとき、股野に拾われて結婚した...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...王はまわりの土をよくかき除けてから腐りかけたその棺の蓋を取った...
田中貢太郎 「蘇生」
...半ば腐りかけてる濡れた死体に...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...果実が腐っても親木は腐りはしない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...牛乳の腐りかけたのがありますね...
豊島与志雄 「林檎」
...腐りかけた板(いた)ばめの上には蛞蝓(なめくじ)の匐(はっ)た跡がついている...
永井荷風 「夏の町」
...はかなき人の世の行末やよろこびも悲しみも一たび倦怠(けんたい)の瀬によどめば腐りて沈む虚無の淵...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...また手柄をさらいに来たんじゃあるまいね」三輪の万七は近頃腐り切って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...しづかにわたしは夢の記憶をたどらうとする夢はあはれにさびしい秋の夕べの物語水のほとりにしづみゆく落日としぜんに腐りゆく古き空家にかんするかなしい物語...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...しづかにわたしは夢の記憶をたどらうとする夢はあはれにさびしい秋の夕べの物語水のほとりにしづみゆく落日としぜんに腐りゆく古き空家にかんする悲しい物語...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...これによって永らく腐り切っていた北番所の名をあげることも出来...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...肉はすッかり腐り切って...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...泥つきし枝のさきは蕾腐りて終に花咲くことなかりき...
正岡子規 「小園の記」
...書画や骨董(こっとう)の鑑定に長じて千年以前の物も立(たち)どころに真偽を弁ずると威張(いば)る人が毎日上海玉子(しゃんはいたまご)の腐りかかったのを食べさせられても平気でいる世中(よのなか)だもの...
村井弦斎 「食道楽」
...Nit Rotten, The wet rotNitat The wooded part of a swampニト 濡れて腐りたるニタト 沼地に樹の生じたる部分現在の日本語でも...
柳田國男 「地名の研究」
...石は腐りませんからね」「そちの義心や...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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