...左手(ゆんで)を袖口へ掻込(かいこ)んで胸を張って煙を吸った...
泉鏡花 「婦系図」
...今まで胸を張って堂々と歩みし者が...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...それから突然胸を張って深呼吸を一つすると「……これは実に変った事件ですぞ...
海野十三 「すり替え怪画」
...八つ手の傍で胸を張って堂々と構えていた...
太宰治 「世界的」
...雄は威風堂堂と胸を張って...
外村繁 「澪標」
...山体は胸を張って...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...精一杯に胸を張って...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...吹雪のように飛びかかって来る土の下にいた彦太郎は、次第に湧き上って来る憤怒に、ぶるぶると顫え出し、土の礫を避けて身体を踞(かが)めていたが、大きな石塊がどさりと彼の肩にあたると、突然すっくと身体を起し、胸を張って、正面の敵に向かって毅然(きぜん)としてつっ立った...
火野葦平 「糞尿譚」
...お前たちはさっと一斉に銅(あかがね)の胸を張って...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...あっしにとっちゃ生きるか死ぬかの大問題なんだ」と親爺は胸を張って一あし詰めより...
本庄陸男 「白い壁」
...胸を張って得意そうに剣を振った...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...」胸を張って、昂然と、槇子は部屋を出て行った...
矢田津世子 「罠を跳び越える女」
...坐ったら胸を張って両手を膝(ひざ)に置く...
山本周五郎 「桑の木物語」
...前の台に胸を張って...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...宿役人の立会しようなど、常の争いと思うて居くさるのか』『どうあっても、其方共は、聞き分けぬと申すか』初めから穏かな藤左衛門が、少し胸を張って、鋭い眼を光らすと、これは萱野三平が刀の柄へ手をやったよりは、ぎくとしたとみえて、群衆は浮き腰になって、『通すなっ、通すな』叫び合いつつ、石を投げ初めた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...眼八は傲慢(ごうまん)に胸を張って...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...一人が女優らしく胸を張ってバイロンの大洋の歌を独吟しては泣き出す...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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