...ここに十巻の全集が世に贈られることは癒されざる慰めの纔かな慰めである...
青柳喜兵衛 「夢の如く出現した彼」
...纔かに彼の知つた上流階級の青年には...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...――それもこれも今は纔かに...
石川啄木 「赤痢」
...纔かに膝頭に届いて居る短いお納戸(なんど)の裳裾(もすそ)の下は...
谷崎潤一郎 「少年」
...さうして纔かに生活をして居つたので...
内藤湖南 「近代支那の文化生活」
...纔かに訝るばかりであつた...
原民喜 「雲雀病院」
...その底に錆びついた斑点が纔かに残されてゐる...
原民喜 「真夏日の散歩」
...ノートに易へて纔かに目的を達し得た...
二葉亭四迷 「旅日記」
...その磨滅した石の上に指先きでもつて纔かにその婦人の名前と年齡とを認めるのである...
堀辰雄 「或外國の公園で」
...それも纔かにしか垣間見られないやうになつてくるのである...
堀辰雄 「一插話」
...妻の亡父の所藏して居つた十幾顆の印は彼が廣東に在つた頃何かの革命の際急に所在をくらまさなければならなかつた支那の某大官が纔かな金で彼に讓つていつた品ださうで...
堀辰雄 「我思古人」
...母親の纔かな安堵があった...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...山は薄闇の裾をひいて仄明るい頂きに纔か雪のかつぎをつけていた...
矢田津世子 「茶粥の記」
...温厚な同君は纔かに微笑して...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...私は支那の肉体労働者が纔かに小麦粉製の饅頭を主食とし...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...纔か三五人づゝの荒くれ男だけが一團となつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...彼等が眠るには纔かな空氣しかいらなかつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...斷えず取り殘されて――纔かにそれ等の波から脱れた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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